マグミクス | manga * anime * game

『ダイの大冒険』ポップついに覚醒! 編集部から「殺しましょう」と言われた危機も

ダブル主人公として期待される今後の展開

表紙にポップが描かれる 原作:三条陸、マンガ:稲田浩司『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』 新装彩録版 第24巻(集英社)
表紙にポップが描かれる 原作:三条陸、マンガ:稲田浩司『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』 新装彩録版 第24巻(集英社)

 もともとポップは、原作者の三条陸先生がダイとのダブル主人公として考えていたそうです。勇者としていつもカッコいいダイ。その逆に情けない一般人代表がポップでした。このポップが徐々に成長することで「ジャンプマンガ」のセオリーにない魅力的なキャラになると思ったそうです。

 結果的に三条先生の狙い通り、ポップは本作のもうひとりの主人公として人気を得ましたが、そこまでは苦難の道でした。

 ポップの成長を描くため、当然、最初はダメなところをいくつも見せなくてはなりません。しかし、それは先のことを知らない読者はもちろん、ジャンプ編集部にもわからず、ポップの人気は下がる一方でした。そして、ついに「ポップを殺しましょう」と編集部から言われたそうです。

 もちろん三条先生は事情を説明して編集部を説得しました。この話はクロコダイン戦の直前だったそうで、確かにまぞっほとのエピソード以降から、ポップの成長エンジンがかかってきた感じでしょうか。実際、バランとの戦いで一度ポップが死んだ頃には、惜しむ声の方が大きかったと思います。

 振り返ってみると、ポップの活躍シーンがダイに匹敵するほどあることも、本作がダブル主人公だと分かる点でした。特にポップの活躍シーンはさっそうとカッコいいダイと比べると、ピンチからの逆転劇が多く、ドラマ的に盛り上がるシーンを一手に引き受けている感じです。最終的に敵を倒すダイの前座として、舞台を温める役どころと言ったところでしょうか。

 このように成長著しいポップですが、いまだに克服できない欠点がありました。それは今回のアバンのしるしの一件でも露呈した、自分のことに自信を持てないという点です。

 マトリフの教えもあって、戦場ではクールに状況を把握し、パーティーの頭脳として活躍するポップ。しかし、自分のことをいつも低く見て、正当に評価するのは苦手でした。それは自分が選ばれた存在でなく、一般人ということも影響しているのかもしれません。

 それが今回、アバンのしるしが光らなかったこと。そして、これまでメルルの気持ちに気付かなかったことに通じています。自分が女の子に惚れられるようなことはないと、自分のことを卑下していたせいでしょう。

 しかし、本人はそう思っていても仲間や周囲はそう思っていません。ポップには絶対的な信頼を寄せている。……そう思わせる描写が随所に出ています。今回の一件で誰もがアバンのしるしが光らなかったことで、ポップを責める人がいなかったのも信頼の証でしょう。

 あえて筆者の感想を言うと、ポップのアバンのしるしだけほかの人に比べて難易度が高いように思えます。そう思うファンの方も多かったようで、ネットでは「ポップだけ絶縁シートを外していないのでは?」という声も出てきました。みなさんポップのことが大好きですね。

 ちなみに気付いた人も多いことですが、TVアニメでは過去にポップのアバンのしるしが光った描写がありました。こういったアニメオリジナルも原作マンガを終了させた作品ならではです。

 このように、今回の一件がポップを格段に成長させました。今後、パーティーメンバーでもっとも活躍する可能性大。戦いはバーンパレスに移り、物語はついに最終局面までノンストップです。これからの物語を楽しみに見ていきましょう。

(加々美利治)

【画像】「ネタバレ注意」の『ダイの大冒険』ファンブック(4枚)

画像ギャラリー

1 2