『ゴールデンカムイ』名物・アシリパの変顔を振り返る 「オソマ」に対する反応が凄すぎ
乙女にあるまじき汗!鼻水!シワ!

●酒に酔ってひどい泣き顔
アシリパはまだローティーンなのに、杉元と同じく旅をともにすることになる脱獄王・白石との酒宴の酒を勝手に飲んでしまったことがあります。酔っ払ったアシリパは、杉元たちを「お前らみたいな都会のもやしっ子」呼ばわりしたり、鹿肉を残そうとした杉元に腹をたてて白石をビンタしたり(!?)とめちゃくちゃな状態になるのですが……。
杉元に「もし俺が死んだら アシリパさんだけは俺を忘れないでいてくれるかい?」と聞かれると、とたんに泣き顔に。その顔がひどい(ほめ言葉)のです。八の字眉で、眉間とアゴにはシワがより、目には涙で鼻には鼻水、酔っているから顔が赤いし、輪郭まで四角くなってる……!? そんな顔で泣きながら「ヒンッ!! 死ぬな杉元ッ!!」というのが健気で、こちらまで泣けてしまいます。
●トイレを我慢して地味に変顔
アシリパはトイレを我慢して変顔になってしまったこともあります。小樽のニシン御殿で「お便所を借りたい」と、頼んだらしきひとコマです。便意が限界に達しているのでしょう、頭に巻いたマタンプシ(鉢巻き・シは小文字)の下からは大量の汗がしたたり、目は見開き、力を入れて耐えているからか三重アゴになってしまっています。発せられるのも、もはや「んんッ」「へんんッ」と言葉にならない、音。
「野田先生、乙女のこんなシーンを描いちゃダメじゃないですかぁ」と思いつつ、笑ってしまって、アシリパさんごめんなさい。
●生きるため!水への執着でひょっとこ顔
エゾシカを追って雪山を行くなか、喉が渇いた杉元と水分の奪い合いをする場面でも、アシリパはかなりな変顔になりました。鹿の膀胱で作った水袋から水を飲んでいると杉元が水袋を奪おうと手をかけるのですが、決して口から離さず飲み続けるので、顔がゆがんでしまうのです。
杉元におでこを押されてまぶたがめくれても水袋を吸い続ける顔は、とてもヒロインとは思えない、ひょっとこ顔(口は曲がっていませんが)。さらにサルナシの蔓から水分を吸う時も、ひょっとこ顔アゲインです。周りに雪があるなら水分補給は雪を食べればいいかと思うのですが、アシリパいわく、雪を溶かすのに体力を使い、身体が冷えてしまうのだそう。雪山での水分確保は命に直結するワケですから、生存本能がゆえの変顔なのでしょうか。
●恐怖のあまりのホラー顔!
巨大なヒグマやオオワシにもひるまず果敢に挑むアシリパですが、唯一苦手なのが、ヘビ。白石が転んで咬まれたといいながらマムシを持ってきたときなど、「ヘビ!? ぎい~ッ」と叫びながら、白目をむいて歯を食いしばり、冷や汗だらだらのホラー顔になってしまいます。さらに、アイヌに伝わる黒い大蛇「サクソモアイエプ(ク、エプは小文字)」の話をする時の顔は、まさに恐怖マンガのひとコマ。稲川淳二かと思うほどです。
アシリパの変顔は百面相といいたいほど豊かで、まだまだ作品のいたるところで拝めます。彼女の顔芸はシビアな展開が続くなかで、こちらの緊張もほぐしてくれる要素でした。コマの端にちょこっと登場することもありますから、くれぐれも見逃さないよう、味わいたいものですね。
(古屋啓子)