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近年放送の鬱アニメ3選 最悪な「トラウマ回」に注意!

救いのない展開で、視聴者の精神をどん底に突き落とす「鬱アニメ」。『メイドインアビス』『結城友奈は勇者である』など、代表的な鬱アニメはひと通り見てしまった、という方もいるのではないでしょうか。しかし近年も、鬱アニメは続々と生まれています。この記事では、近年に放送された「鬱アニメ」から、3作品ご紹介します。

第一話から絶望…たび重なる鬱展開に耐えられるか?

『魔法少女まどか☆マギカ』(2011年)、『ぼくらの』(2007年)など、救いのない展開が持ち味の「鬱アニメ」。つらくなるはずなのになぜか見たくなる、不思議な魅力を持つ鬱アニメは、年々その数を増やしています。この記事では、この記事では、近年に放送された「鬱アニメ」から、3作品ご紹介します。SNSでも「1話目からけっこう痛々しい」「不安に駆られながら見てる」と評判です。

●『魔法少女サイト』(2018年4月~放送)

『魔法少女サイト』 (C)佐藤健太郎(秋田書店)/「魔法少女サイト」製作委員会
『魔法少女サイト』 (C)佐藤健太郎(秋田書店)/「魔法少女サイト」製作委員会

 登校中、踏切に入って自殺を図ろうとした中学2年生、朝霧彩(あさぎり・あや/CV:大野柚布子)。彼女はいつも、死ぬことばかり考えていました。学校では下駄箱に画びょうやカミソリを入れられ、トイレでいじめられる彩。

 家でも、優等生を演じる兄・朝霧要(あさぎり・かなめ/CV:岡本信彦)に日々殴られ、彩はどこにも居場所がありません。しかしある日、彩は怪しいWebサイト「魔法少女サイト」を見つけ、「ステッキ」を手に入れます。魔法の力を秘めたステッキを持つことで、彩はさらに苛烈な運命に巻き込まれて――?

『魔法少女サイト』は、同名マンガ(作:佐藤健太郎/秋田書店)を原作とするアニメです。原作の「魔法少女シリーズ」は、2018年時点で累計発行部数380万部を突破。ダークな世界観が話題を呼び、コミックスは16巻で完結しています。

 いじめや虐待など、思わず目をそむけたくなるようなシーンも、しっかりと描き切っている本作。主人公の彩だけでなく、同じく魔法少女となった奴村露乃(やつむら・つゆの/CV:茜屋日海夏)や穴沢虹海(あなざわ・にじみ/CV:芹澤優)も、壮絶な事情を抱えています。

 第1話からかなり救いのない展開が続くうえ、狂ったり壊れたりしているキャラが次々と登場します。特に彩の兄・要のクズっぷりは彩以外にも向けられ、物語の展開にも関わってくるほど。グロテスクな表現や鬱展開に加え、「怖い」と評判の最終話にも注目の作品です。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「U-NEXT」などで見ることができます。

●『バビロン』(2019年10月~放送)

『バビロン』 (C)野崎まど・講談社/ツインエンジン
『バビロン』 (C)野崎まど・講談社/ツインエンジン

 主人公である正崎善(せいざき・ぜん/CV:中村悠一)は、東京地検特捜部の検事として、製薬会社の不正事件を追っていました。部下の文緒厚彦(ふみお・あつひこ/CV:小野賢章)と操作を続けていたある日、善は一枚のおかしな書類を見つけます。

 その書類には毛髪や爪のようなものが付着しているうえ、「F」という文字で真っ黒に埋め尽くされていました。捜査の結果、参考人として浮かび上がった医師を訪ねることにしたふたり。彼らはそこで、驚きの光景を目にして――?

『バビロン』は、同名小説(著:野崎まど、イラスト:ざいん/講談社)を原作としたアニメです。「読む劇薬」と銘打たれた原作をアニメ化した本作。各話の最後に「番組はフィクションであり~」との注意書きが入る点も、内容の過激さを匂わせています。

 第1話から衝撃の展開が続くうえ、善たちの捜査と、都内四市が合併する「新域構想」の真相が、徐々にからみ合っていきます。そして、新域で提案された、死の権利を認める「自殺法」。鬱々としたストーリーの中で、「自殺とは何か」「正義とは何か」を考えさせられます。

 なお、本作の中でも鬱度が高いのは、放送当時SNS上でも話題となった第7話「最悪」といえるでしょう。その身の毛がよだつような展開に、各話最後の注意書きも冒頭に移り、「児童および青少年の視聴には十分ご注意ください」との記載が追加されました。視聴の際は、心の準備をお忘れなく。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「Netflix」などで見ることができます。

●『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』(2017年4月~放送)

『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』 (C)2017枯野瑛・ue/KADOKAWA/68番島・妖精倉庫
『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』 (C)2017枯野瑛・ue/KADOKAWA/68番島・妖精倉庫

 猫を追いかけていた少女クトリ・ノタ・セニオリス(CV:田所あずさ)は、高所から落ちたところを助けられ、青年ヴィレム・クメシュ(CV:新井良平)と出会います。ヴィレムはクトリに頼まれ、街を案内することに。「思い残すことはもうないかな」というクトリは、「私のことは、忘れてくれるとうれしいかな」と言い残し、ヴィレムと別れます。

 後日、軍の兵器管理の仕事を受けたヴィレムは、勤務先の倉庫に向かいます。そこにはなぜか小さい子供たちがたくさん住んでおり、にぎやかな雰囲気だったのでした。子供たちをまとめる最年長のお姉さんは、先日会ったクトリで――?

『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』は、同名ライトノベル(著:枯野瑛、イラスト:ue/KADOKAWA)を原作としたアニメです。原作は2016年に、「このライトノベルがすごい!2016」の新作部門2位・作品部門5位を獲得。そのほか、多くの賞を受賞している人気作品です。

 倉庫に住む子供たちは妖精兵であり、「兵器」として使い捨てられている本作。クトリも例外ではなく、地上を荒らしまわる「獣」と戦うため、いつか自分の命を犠牲にすることを覚悟しています。しかしそこに唯一の男性として現れ、クトリ達を何とか救おうとするヴィレムに、クトリは惹かれてしまうのです。

「遠くない未来に兵器として散る」と知りながら、ヴィレムへの恋心や「生きたい」という気持ちとの間で、葛藤するクトリ。時折語りかけてくる謎の少女のイメージや、先に出撃していく仲間たちへの思いが、さらにクトリをさいなみます。そんな彼女を見るヴィレムの、やるせなさや切なさもあいまって、じわじわと鬱展開が胸に迫る作品です。この作品は、「dアニメストア」「U-NEXT」「バンダイチャンネル」などで見ることができます。

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 怖いもの見たさからか、つい見たくなってしまう「鬱アニメ」。そのインパクトの強さは、明るく夢のある作品を、時に上回るのではないでしょうか。未見の作品があった方は、よく心の準備をしたうえで見てみることをおすすめします。

※配信状況は記事掲載時点のものです。

(新美友那)

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