『Zガンダム』ティターンズの可変モビルアーマー 活躍の一方、乗り手の負担も大きめ?
TVアニメ『機動戦士Zガンダム』には数々のモビルスーツと可変モビルアーマーが登場し、ファンを楽しませていました。今なお高い人気を誇る機体たちのなかから、今回はティターンズが運用した可変モビルアーマーを紹介します。
大気圏内で運用可能な最初の可変MA

『機動戦士Zガンダム』で主人公のカミーユが所属するエゥーゴと敵対する組織、ティターンズでは、高性能ですぐれた戦術をも生み出したさまざまなモビルアーマーが搭乗、作中で活躍を見せました。
●NRX-044 アッシマー
「NRX-044 アッシマー」は、大気圏内を自力飛行可能な機体として開発された、最初の可変モビルアーマーです。全高は23.1メートルと、ガンダムMK-IIの18.5mと比較して5メートル近く大きくなっていますが、これはアッシマーの開発時にはムーバブル・フレーム技術が確立されておらず、機体スペースに余裕があるモビルアーマーをベースにしたのが理由となっています。
しかしながら可変機構にはマグネット・コーティングが施されており、変形に要する時間はわずか0.5秒と極めて短く、MA形態とMS形態を入れ替えながら戦う戦う新たな戦術が生み出されました。
欠点としては武装が大型ビーム・ライフル一丁のみ……という問題が挙げられますが、作中では右手に大型ビーム・ライフル、左手にマラサイ用のビーム・ライフルを装備するなど柔軟な運用が可能であり、16話ではガンダムMK-IIのビーム・サーベルを使用する場面も見られました。
初登場となった13話ではブラン・ブルターク少佐が搭乗し、ロベルトのリック・ディアスを撃墜するなど猛威を振るいました。その後もたびたびカミーユ・ビダンやクワトロ・バジーナと激闘を繰り広げますが、15話でアムロ・レイが操縦する輸送機の体当たり攻撃を受け、撤退に追い込まれています。16話では戦場に復帰したアムロのリック・ディアス及びカミーユと交戦し、ついに撃破されています。その後も37話で再登場し、ダカールでのクワトロの演説をめぐる混乱のなかで、印象的な働きを見せてくれました。
●ORX-005(CRX-005)ギャプラン

「ORX-005(CRX-005)ギャプラン」は加速性能を重視した可変モビルアーマーです。推進機を後方へ集約する変形機構を備えており、圧倒的な推力がもたらす機動性能でカミーユたちを苦しめました。
本機は宇宙と大気圏双方で使用可能な機体となっていますが、アッシマーほど空力特性を考慮した設計にはなっていないため、飛行可能時間はアッシマーに劣ります。その欠点を補うために大型ブースターが開発されており、飛行時間の延長や高高度迎撃としての運用などが可能となっています。
ただし18万3000kgに及ぶ大推力と方向転換の際にかかるGの負担は大きく、初期は強化人間専用機として扱われ、ロザミア・バダムが搭乗しました。後に一般兵でも搭乗可能な機体が少数量産されており、ヤザン・ゲーブルが一時搭乗しています。
武装としてはシールド、ブースター、ビーム砲としての機能をあわせ持つムーバブル・シールドバインダーを両腕に装備しており、自在に方向転換を行いつつ防御と攻撃を行なえる画期的な装備として運用されました。ビーム・サーベルも2本装備しており、25話ではヤザンが二刀流を披露しています。
作中では14話でロザミア機が初登場しますが、15話でカツ・コバヤシのガンダムMK-IIとカミーユのリック・ディアスの攻撃を受け撃墜されています。その後はヤザンが一般兵用の機体に搭乗し、Zガンダムとも互角に渡り合いました。また、劇場版『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』にも登場し、高高度性能を生かしてハイジャッカーを航空機に送り込むために使用されました。