なぜPS5は「転売の的」になった? 転売ヤーだけでなく、購入者にも一因が…
手頃な価格ではないからこそ、転売価格も上乗せしやすい

●元値の関係から、転売の利益も上乗せさせやすい
転売の多くは、旬の時期が限られています。供給され続ければ、いずれ需要を満たすほど普及するため、転売の相場は販売価格へ徐々に近づき、いずれは下回る運命です。しかし現状のPS5は供給不足が続き、長期にわたって需要が落ちないため、相場は下がらず変動しにくい状況が保たれています。
相場が下がらない、つまり(転売する上での)価値が変わらないので、在庫として抱えても腐りにくく、扱う側にとって理想的な商品です。
また、転売のやり方はいくつかありますが、フリマアプリなどを介して直接販売する場合、少額の商品を数多く扱うのはかなり手間がかかります。また少額商品だと、上乗せできる金額も程度が知れているので、効率がいいとは言えません。
しかしPS5は、性能を踏まえると手頃ながら、単純に金額だけみると4万円台~5万円台なので、なかなかの価格です。こうした高めの商品は、転売時の販売価格に上乗せさせやすく、1回の転売でそれなりの額が手元に残ります。
入手確率こそ手強いものの、価値が落ちにくく、1回の仕入れで万単位の利益が出る。転売屋にとっていくつもの条件が揃っている、理想的な商品なのです。
●スマホが便利過ぎて、転売のハードルも下げてしまう
転売行為自体は、昔から長らく行われてきました。ですが、「転売のしやすさ」は大きく変わり、(良し悪しは別にして)今は誰でも気軽に転売できる環境が整っています。
最も顕著な環境の変化は、スマートフォンの普及です。前述したフリマアプリも、スマホがあればすぐに利用できます。個人が直接モノを売りやすくなったため、転売のハードルもかなり下がりました。
また、個人間の取引によるトラブルを避けたい場合、高価で買い取る店舗に売る手もあります。そうした店もスマホがあれば容易に調べられますし、複数店舗を対象に買取価格の比較も可能。スマホがもたらす便利さは、残念ながら転売にも役立っているのです。
最新の機器でゲームが遊びたいと考えるユーザーは、かなりの数に上ります。その需要の大きさと、コロナ禍の影響を受けて生産数が伸び悩む供給量の差が、転売屋にとって格好の狙い目となりました。
しかも供給不足が長く続く気配があるため、相場が落ちにくく、1件あたりの利益も出しやすい。そして、購入から転売までスマホ1台で足りてしまう環境もまた、転売のしやすさを後押ししてしまいます。
今回は、日本国内における目のつきやすい事情を取り上げましたが、規制の基準が異なる海外のユーザーが日本向けのゲーム機を欲しがる、といった国をまたぐ転売事情もあり、なかなかに根の深い問題が横たわっています。
転売は犯罪でこそありませんが、正常な流通を妨げる歪んだやり取りという側面があるのも事実。この状況が一日でも早く是正されることを、ひとりのゲームファンとして願ってやみません。
なお、先日行われた ソニー・インタラクティブエンタテインメントの事業説明会で、部品不足が改善傾向にあると報告されました。また、今年は生産数を大きく増やすとも言及しており、状況が改善する兆しが見られます。転売は、最終的にババを引く可能性が大きいギャンブル要素の高い行為。個人的にも全くお勧めしません。
(臥待)



