2022秋アニメ、期待値が高かった「懐かし系」3作 放送後の評価は?
時を経ても変わらないもの
●『令和のデ・ジ・キャラット』
1999年にTBS系の深夜番組「ワンダフル」内で放送された『Di Gi Charat』が新作アニメとして帰ってきました。見始めればいきなり始まるのは奥井雅美さんが歌うオープニング「曖昧さ、幸福論」。これ一発で一気に時間は20年以上さかのぼった気分になれます。監督も前作と同じ桜井弘明さん。原作・キャラクター原案も当然こげどんぼ*さんと、昔懐かしいメンバーが名を連ねています。
もちろん声優もそのままで、主人公・デ・ジ・キャラットは真田アサミさん、ぷちこことプチ・キャラットは沢城みゆきさん、うさだひかることラ・ビ・アン・ローズは氷上恭子さんと、メインメンバーは全員続投となりました。もちろん他のキャラもそのままで、ピョコラ=アナローグIII世は林原めぐみさん、マスコットキャラのゲマは亀井芳子さん、そして2005年の休業以来あまり活動が見られなかったサエキトモさんもクウ=エアハルト役に名を連ねているのがうれしいところです。
作風も以前のようにゆるくてカオスな雰囲気そのままですが、ひとつだけ大きく異なる点があります。
そう、ぷちこの演技が滅茶苦茶うまいのです。当時新人だった沢城みゆきさんはこの20年あまりの間に女性声優のなかでもトップランクの演技力を持つ存在となりました。ぷちこの進化に、要注目です。
●『BLEACH 千年血戦篇』
2001年から「週刊少年ジャンプ」に久保帯人先生が連載し人気を博し、TVアニメは2004年から2012年まで足掛け8年にもわたって全366話が放送された大ヒット作品『BLEACH』が、連載開始20周年企画として再びアニメ化されました。前回のアニメでは放送されなかった原作の最終章「千年血戦篇」が分割4クールで放送予定される予定となっており、10年越しに実現した、まさにファン待望のアニメ化と呼べる作品です。
尸魂界は突如として現れた「見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)」による襲撃を受け、大きな被害を出してしまいます。虚圏も被害を受けるなか、敵の指揮官キルゲ・オピーと対峙した黒崎一護たちは、その正体が滅却師であると知ることになりました。
やがて尸魂界は「見えざる帝国」との本格的な戦闘へ突入しますが、攻撃が通らない相手に苦戦を余儀なくされます。隊長たちは卍解の決意を固めますが、逆に卍解を奪われ絶望的な状況へと追い込まれてしまいます。果たして打開策は見つかるのでしょうか。
『BLEACH』ほどの大型タイトルを制作するのは困難を極めますが、現状では作画・ストーリー方面に関しては良質な状況が保たれています。このまま最後まで多くのファンが待ち望み続けてきたラストへと突っ走って欲しいものです。
(早川清一朗)