子供も見る国民的アニメに「キスシーン」はあるのか？　意外とあった描写とは

『クレヨンしんちゃん』は事故的なものとそうでないものが

　恋愛を扱ったアニメ作品では、当たり前のように恋人たちがキスをする場面が登場します。恋愛が主軸でない作品であっても、誰かが誰かにキスをする場面は印象的なシーンになりえます。さて、この「キスシーン」ですが、幼い子供も観るような、そんな国民的アニメにも登場するのでしょうか。別にあっても良いのですが、あったらあったで意外に思える作品のなかで描かれた、希少な「キスシーン」を調べてみました。

　まずはアニメ『クレヨンしんちゃん』（原作：臼井儀人）。30年以上にわたり放送されている完全無欠の国民的アニメと言って良いでしょう。原作ではひろしとみさえの性生活が描かれることもありましたが、メインターゲット層が子供であるアニメ版ではそういうシーンは割愛されました。

　ギャグとしてしんのすけが友人（主に風間くん）にキスをする場面が挿入されることはあった気がしますが、「普通に」恋愛的なキスシーンなどあのアニメにあったでしょうか。

　これが、結構ありました。2021年6月放送の「久しぶりのデートだゾ」の回ではひろしとみさえが恋人時代のように横浜デートをかましたのち、観覧車内でキスします。また、よしなが先生と恋人の石坂さんは「いい感じ」になるたびしんのすけに邪魔されるというお決まりのパターンがありましたが、これもだいぶ初期の1995年11月放送の「デートをもりあげるゾ」回で、事故的にファーストキスが描かれました。

『クレヨンしんちゃん』で最も情熱的なキスが描かれたのは、まつざか先生と徳郎さんカップル。アニメでも長期にわたりふたりの恋模様を描いてきましたが1999年9月放送の「まつざか先生の恋の決着だゾ3」で、海外へと旅立とうとする徳郎さんをまつざか先生が呼び止め、空港で強く抱きしめあいキスを交わします。これはファンの間でも屈指の神回とされているのです。こうして見ると『クレヨンしんちゃん』では結構、大人の恋愛ドラマが描かれてきました。

　さて『クレヨンしんちゃん』と違い、原作からして小学生向けのアニメ『ドラえもん』（原作：藤子・F・不二雄）はいかがでしょうか。