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『仮面ライダーV3』放送開始から50年 子供たちが共感した、ライダーマンの「弱さ」

V3とは異なる、親近感を感じさせたライダーマン

V3とともに活躍したライダーマンを立体化した、「S.H.フィギュアーツ ライダーマン」(BANDAI SPIRITS)
V3とともに活躍したライダーマンを立体化した、「S.H.フィギュアーツ ライダーマン」(BANDAI SPIRITS)

 シリーズのクライマックスを大いに盛り上げたのは、第43話から第51話に登場した「ライダーマン」です。デストロンの大幹部「ヨロイ元帥」の陰謀によって、右手を失った天才科学者・結城丈二(山口豪久)の変身した姿です。ヨロイ元帥を憎んでいるものの、長年の上司であったデストロン首領への未練が残っているという複雑なキャラクターでした。

 マスクを被っていても、口とあごが露出しているのが「ライダーマン」の特徴でした。脳以外は全身が改造人間であるV3に対し、ライダーマンは生身の人間が強化服を着用しているという設定です。V3に比べると、弱々しい感じがしました。

 実際にデストロンの怪人と戦っても、ライダーマンは勝つことができません。義手となった右手に取り付けたアタッチメントを取り替え、もっぱらロープアームを使って人質を救出することが多かったように思います。ヨロイ元帥への復讐という私怨から戦っているため、V3の足を引っ張ることも少なくありませんでした。

 でも、ライダーマンの「強くない」ところに子供たちは魅了されました。V3みたいな完全無欠の正義のヒーローにはなれなくても、がんばればライダーマンにはなれるんじゃないのか。そんな手が届きそうな親近感が、ライダーマンにはあったのです。「弱さ」や「人間くささ」が魅力になっているヒーローは、とても新鮮に思えました。

対照的だったふたりのヒーロー

 V3役の宮内洋さんとライダーマン役の山口豪久さんは、劇中では当初は対立する関係だったことから、撮影現場ではお互いに目を合わせないようにしていたそうです。おふたりのプロ意識を感じさせます。

 やがてV3とライダーマンは共闘し、デストロンと戦うことになります。ストーリーの展開につれ、宮内さんと山口さんも仲を深めていったそうです。

 宮内さんは「仮面ライダーV3』終了後、同じく石ノ森章太郎原作の特撮ドラマ『秘密戦隊ゴレンジャー』や『怪傑ズバット』で活躍します。ファンの子供たちがいる前では、タバコを吸ったり、立ち小便をしないなど、正義のヒーローのイメージを大切にしていることで知られています。山口さんも1974年に『電人ザボーガー』に主演しますが、残念なことに1986年に亡くなっています。41歳の若さでした。

 最終回を翌週に控えた『仮面ライダーV3』第51話で、V3がライダーマンに捧げた言葉「君は英雄だ。おれは君にライダー4号の名を送るぞ」が、今でも感慨深く思い出されます。

 完璧なヒーローだったV3と、人間としての弱さを抱えながら戦い続けたライダーマン。対照的なふたりのヒーローがいたことで、『仮面ライダーV3』は忘れられないシリーズになったように思います。

(長野辰次)

【画像】カッコいいV3の宙返り! ライダーマンのカセットアームも(7枚)

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