覚えてる?『帰ってきたウルトラマン』が僕らに残してくれた「ウルトラ5つの誓い」
『帰ってきたウルトラマン』郷秀樹役をつとめた団時朗さんが亡くなりました。子供の頃に熱中した世代が思い出すのは、「ウルトラ5つの誓い」ではないでしょうか。番組の最終回とともに誓ったその内容を振り返ります。
子供たちは最終回で「誓い」を立てて見送った

『帰ってきたウルトラマン』で主役の郷秀樹役をつとめた団時朗さんが3月22日に肺がんで亡くなられました。74歳。2017年に肺がんが見つかってからも、演劇を中心に活躍を続けてきましたが、昨年末に悪化し、ついに鬼籍に入られたそうです。
団さんはファッションモデルとしてデビュー、俳優としてさまざまな作品に出演しています。舞台では『ROMALE ~ロマを生き抜いた女 カルメン~』、映画では『ニセコイ』『制覇20』が最近の作品でしょう。
特撮ファンとしてはやはり、団時朗さんが初主演でかっこいい郷秀樹を演じた『帰ってきたウルトラマン』(1971年、当時は団次郎)を忘れることができません。ウルトラシリーズの中興の祖というべき作品で、ハンサムで長身の団さんが、一本気ながらどこかナイーブな青年を演じ、大人気となりました。
郷秀樹は自動車工場に勤めながらレーサーを目指す青年ですが、少年と犬を救うために身を投げ出したことから、ウルトラマンと一体化します。初代ウルトラマンとの違いは、変身グッズを持たず、危機感がつのることで変身することで、最初はなかなか変身できないなどのドラマがありました。
また、作中でウルトラマンが危機に陥ると、初代ウルトラマンやウルトラセブンが助けにくるという黄金パターンが誕生したのも、この『帰ってきたウルトラマン』からです。ハヤタとモロボシ・ダンが登場した時には、ウルトラファンが大熱狂しました。
作中の怪獣対策チームMAT(Monster Attack Team)がかっこいいのも魅力でした。マットアロー1号・2号に加えて、ティルトローター式のマットジャイロの存在感も見逃せません。『シン・仮面ライダー』の庵野秀明監督がこの作品を愛し、アマチュア時代に『帰ってきたウルトラマン』を制作したことも有名です。
そして『帰ってきたウルトラマン』といえば、視聴者の少年たちに呼びかけた「ウルトラ5つの誓い」が忘れられません。
ひとつ、腹ペコのまま学校に行かぬこと
ひとつ、天気のいい日にふとんを干すこと
ひとつ、道を歩くときには車に気をつけること
ひとつ、他人の力を頼りにしないこと
ひとつ、土の上を裸足で走りまわって遊ぶこと
最終回、地球を去っていくウルトラマンに、TVの前の子供たちはこの誓いをしました。そして今、団時朗さんが去っていった背中に向かってもう一度、この誓いを新たにしたいと思います。
(マグミクス編集部)