うわっ…主人公の境遇、不憫すぎ…？　2023春アニメ・「第1話から衝撃展開」3選

「切った人、惜しい……」その後も追いたい「不憫系主人公」たち

　2023春アニメをご覧の皆さん、継続視聴する作品は見つかりましたか？　忙しい年度始めに多くの春アニメをチェックするのは、なかなか難しいですよね。そんななか、今期の春アニメでひときわ異彩を放っていたのが「主人公が不憫なアニメ」です。

　この記事では、第1話から主人公が不憫な春アニメを3作品ご紹介します。SNSでも「怒涛の重ため展開にやられました」「あまりにもスピード感ある1話で笑う」と評判です。

●『神無き世界のカミサマ活動』

「神地崇教」の教祖の息子・卜部征人（うらべ・ゆきと／CV：榎木淳弥）は、「黒ひげ○○一発」よろしく、樽に詰められていました。征人は、新たな指導者を生むための儀式「産霊（むすび）の儀」に、巻き込まれていたのです。儀式と称して崖から海へ放り出された征人は、命を落とし、異世界へと転生してしまいます。

　転生先の世界には、「神」や「宗教」の概念がありませんでした。目を覚ました征人は、異世界転生したことに喜び、地味ながらも村での生活を楽しみます。しかし、その村は「カクリ」という、はぐれ者が集まる村でした。村を敵から守るため、征人は突然出現した神・ミタマ（CV：鬼頭明里）の信者を集めることになり――？

『神無き世界のカミサマ活動』は、同名マンガ（著：朱白あおい、イラスト：半月板損傷／ヒーローズ）を原作としたアニメです。冒頭から、理不尽すぎる命の落とし方をする征人。そのうえ、仲良くなったカクリの村人たちも、国の「終生」制度で自殺を強制されてしまうのです。

「終生」制度とは、国からの指示で自ら命を絶たねばならない、恐ろしい制度です。征人を助けてくれたアルラル（CV：花澤香菜）や、その姉・シルリル（CV：上坂すみれ）も、「終生」制度の対象に。異世界に来ても、征人を襲う理不尽な出来事は止まりません。

　しかし、危機一髪のピンチで現れた神・ミタマの力を借りるため、征人はミタマの信者集めを決意。元の世界で嫌っていた「宗教」をみずから作り出し、皮肉にも信者集めに奔走することになったのです。

　シリアス展開かと思えば切れのあるギャグが飛び出し、思わず目が離せなくなってしまう本作。征人は本来の腹黒さと元の世界での経験を生かし、あの手この手で信者を増やしていきます。なお、クレン役の緒方恵美さん、征人の父・卜部聡一朗役の速水奨さんなど、豪華声優陣の迫力ある演技にも注目です。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「U-NEXT」などで見ることができます。

●『デッドマウント・デスプレイ』

「災厄潰し」の異名を持つ、英雄・シャグルア（CV：草尾毅）。シャグルアは死闘を経て、希代の死霊使い（ネクロマンサー）「屍神殿」を封じた……かと思われました。しかしその瞬間魔術が発動し、シャグルアは意識を失います。

　シャグルアが目を覚ましたのは、異世界である現代の新宿でした。彼の魂は、四乃山ポルカ（しのやま・ぽるか／CV：榊原優希）という少年に宿り、転生したのです。ただ、ポルカが目覚めたのは路地裏で、喉は切り裂かれた状態。警察に保護されそうになるポルカでしたが、そこに現れた少女・崎宮ミサキ（さきみや・みさき／CV：水瀬いのり）に手を引かれて――？

『デッドマウント・デスプレイ』は、同名マンガ（著：成田良悟、イラスト：藤本新太／スクウェア・エニックス）を原作としたアニメです。第1話冒頭から壮絶なバトルを繰り広げるシャグルア。ポルカに転生した後もなぜか喉を切り裂かれていますが、その犯人は、実はミサキ。警察から逃げた後、ミサキは再びポルカを殺そうと襲い掛かってきます。

　本作の原作者は、『バッカーノ！』『デュラララ！！』の原作者でもある、成田良悟さんです。ファンタジー世界から現実世界へ転生する「逆異世界転生」である本作では、転生後の現実世界を楽しむ……というわけではなく、いきなり命を狙われます。そのうえ、ポルカは彼をとりまくさまざまな思惑に巻き込まれていくのです。

　冒頭にあるシャグルアと屍神殿のバトルシーンは、劇場版かと思ってしまうほどの迫力ある作画です。声優陣も、内田雄馬さん、江口拓也さん、種崎敦美（※崎の字は立つ崎）さんなど。かなりの豪華メンバー。グロテスクなシーンもあるものの、その怒涛の展開に思わず引き込まれてしまいます。

　他の異世界転生ものと比べると最初の展開がゆっくりめですが、第1話だけでもぜひ終わりまでご覧ください。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「U-NEXT」などで見ることができます。