「人の道には戻れない」取材で判明したエレンの心情 『進撃』最後の決断に秘められた想いが「苦しい」
アニメ『進撃の巨人』の主人公エレン・イェーガーは、これまで人類の希望として、人間を捕食する巨人と戦ってきました。しかし、今では幾千万もの超大型巨人を従えて、大陸にいる人類を根絶やしにしようとしています。はたして彼は何を思い、何を求めて戦い続けているのでしょうか。
エレンの「見たい景色」とは?

アニメ『進撃の巨人』は、2023年11月4日(土)放送の「The Final Season 完結編(後編)」をもって、およそ10年の歴史に幕を閉じます。これに先立ち10月23日放送の『プロフェッショナル 仕事の流儀』では、番組史上初となるアニメキャラクターのインタビューが実施され、主人公のエレン・イェーガーへの密着取材が行われました。
番組はおよそ20分にわたって放送され、サウナから始まる斬新な構成で幕を開けます。途中「徹底討論 ヤツらの倒し方」なるミニコーナーを挟みつつ、大切にしている流儀や自身が思う自由の定義など、エレンはさまざまな質問に答えていました。
はたしてエレンは何を思い、何を求めて戦い続けているのか。この記事では、インタビュー中の気になる発言を取り上げ、そこに込められた彼の思想について触れてみましょう。
●「オレたちと同じ人間でした」
インタビュアーから「なぜ戦い続けるのか」と問われたエレンは、戦い続けなければ生き残れない環境だったと答えます。しかしその直後、「敵は実際のところ感情のない化け物なんかじゃなくて、オレたちと同じ人間でした」と振り返っていました。
エレンが巨人に対して明確な憎しみを抱くようになったのは、巨人の襲撃により最愛の母親を失ったことがきっかけです。この日から巨人と戦う人生を選び、ミカサやアルミンとともに訓練兵団へと入団します。やがて調査兵団となったエレンは、「女型の巨人」や「鎧の巨人」、「超大型巨人」などと戦いを繰り広げますが、のちにその正体が自分のよく知る人間だったことに気付くのでした。
さらに、単なる化け物として討伐してきた「無垢の巨人」の正体は、自分たちと同じ祖先を持つエルディア人が、巨人のせき髄液を打ち込まれた哀れな姿だったのです。皮肉にもこの仕打ちは、あれほど憧れていた海の向こうにある大陸、マーレの人びとによって行われていたものでした。
人類の敵と思っていた巨人の正体が、実は自分と同じ「人間」だと知ったときの衝撃は計り知れないものでしょう。ですが、その逡巡すらも乗り越えて、自らの意志で戦い続けることを選んだのが、今のエレンなのです。