「人の道には戻れない」取材で判明したエレンの心情 『進撃』最後の決断に秘められた想いが「苦しい」
「後編」で描かれる「人ではない」、エレンの姿

●「もう人の道には戻らない。戻れない」
壁内人類を守るための方法を模索していたエレンは、ヒストリアとの接触によって未来を目撃したあと、悪魔のような所業を計画します。それが人類をターゲットとした大虐殺、「地鳴らし」です。
そもそもエレンたちが暮らす町を囲っていた壁は、幾千万もの「超大型巨人」で造られていました。その超大型巨人を解放し、壁外に存在するすべてを踏み潰していく行為が「地鳴らし」と呼ばれています。
「地鳴らし」の発動には、エレンが継承する「始祖の巨人」の力と、王家の血を引くエルディア人、ジーク・イェーガーの接触が必要でした。そこでジークはエルディア人の生殖能力を奪う「安楽死計画」を遂行しようとしていましたが、エレンは断固とした覚悟でパラディ島の外に住む全人類の駆逐を選びます。これはまさに人の道を外れた決断といえるでしょう。
今回放送された『プロフェッショナル 仕事の流儀』を見る限り、どうやらエレンへの取材は「地鳴らし」の前に行われたもののようです。インタビューで発された「もう、人の道には戻らない、戻れない。オレは悪魔になるんです」という言葉には、彼の確固たる意志が感じられました。
●「オレは、オレにはそれだけじゃ足りなかった」
最後の質問として「自由とは何か」について問われたエレンは、「人びとの命や日常生活が脅かされることなく継続していくことだと思います」「ただ木陰で昼寝ができれば それだけでよかった。それだけでした」と答えました。これはおそらく一般的な感覚に近い「自由」の解釈でしょう。実際に調査兵団の他メンバーは、それぞれ自分たちの平和を取り戻すことをもっとも重要な目標として、巨人と戦っていました。
ですがエレンは、リヴァイからしばしば指摘されていたように、仲間たちとは異質な世界に生きています。そのためこの答えでは満足せず、直後に「いや、違います」と否定すると、「オレは、オレにはそれだけじゃ足りなかった」「見たい景色がありました。そのために戦いたかった。オレは戦いたかったんです」と言葉を続けていました。
エレンが思い描く「自由」は、ほかの仲間たちとは違います。彼にとって平和のために築き上げた壁は「鬱陶しい存在」でしかなく、その壁の向こう側にある「見たい景色」を見るために戦い続けてきたのです。
ではその「見たい景色」とはいったい何だったのでしょうか。「完結編(前編)」では、地鳴らしによって人びとが命を落としていく残酷な光景のなか、「これが自由だ!」「ついにたどり着いたぞ、この景色に……なぁアルミン」と無邪気に語りかける場面がありましたが、果たしてそれがどこまで本心だったのか定かではありません。
来たる11月4日(土)、物語のラストを飾る『「進撃の巨人」 The Final Season完結編(後編)』ですべての真実が明らかになることを期待しましょう。
(ハララ書房)



