『ワンピ』「恋愛は描かない」by尾田っち←それでもファンが嗅ぎつけた、意味深な「オトナの関係性」
冒険マンガのイメージが強い『ONE PIECE(ワンピース)』では、たびたび男女の関係を匂わせるキャラクターたちが登場します。ただの恋愛とは言いがたい複雑な「オトナ」の関係とはどのようなものでしょうか。
若者たちにはない「オトナ」な関係
『ONE PIECE(ワンピース)』といえば、「冒険」や「仲間との絆」というイメージが強く、恋愛のイメージを連想する人は少ないでしょう。しかし、そこまで数は多くないものの、作中にはたびたび男女の関係を「匂わせる」キャラクターたちも登場します。
はっきりとした描写のない「オトナな関係」は、彼らの魅力をより一層際立たせる描写ともいえます。これまで作中で描かれた、大人の恋愛について振り返ってみましょう。
●シルバーズ・レイリー&シャクヤク(シャッキー)
海賊王ゴール・D・ロジャーの右腕として知られる「冥王」シルバーズ・レイリーは、現在シャボンディ諸島でコーティング職人として生計を立てています。しかし、その実力は老いてもなお健在であり、マリンフォード頂上戦争後にはおよそ2年間、ルフィに覇気を教え、彼を鍛えあげました。
そんなレイリーのそばにいるのが、同じくシャボンディ諸島にて「シャッキー’SぼったくりBAR」を経営しているシャクヤクです。
年齢不詳の美魔女である彼女の正体は、アマゾン・リリーの先々代皇帝にして、九蛇海賊団の元船長でした。海賊を辞めてから40年以上が経った現在でも店にやってきた海賊たちから「法外なお代をぼったくる」ことが可能なほどで、実力はいまだにおとろえていないようです。
レイリーとシャクヤクの関係についてはっきりとは描かれていないものの、原作498話でシャクヤクがレイリーのことを「ウチの人」と呼んだり、「もう半年は帰ってきてない」と語る様子などから、半同棲状態であることが分かります。一方で「その辺に女作って寝泊まりしてる」事実を何事もないかのように語る様子は、いくつもの修羅場を乗り越えた貫禄ある夫婦の雰囲気を感じさせました。
SNS上では、そんなふたりの関係について「シャッキーとレイリーがお似合いすぎる」「憧れちゃう」「オトナの色気満載の関係」などの声が挙がっています。
●スモーカー&ヒナ
スモーカーとヒナは、ともに海軍本部の将校であり、さらに同期入隊という長い付き合いです。ともに若くして海軍本部中将、少将という高いポジションについているふたりですが、その関係にもどこか「オトナの関係」を思わせるものがあります。
原作212話では、スモーカーからの頼みでアラバスタ王国にやってきたヒナが、「カワイイ事言うのね ”白猟”ともあろう男が」「昔より少しは丸くなったのかしら?」とからかう様子が描かれました。さらに同話では、ふたりが「どちらが相手の言うことを聞くか」ということを、コイントスの勝ち負けの結果で決めており、スモーカーとヒナが長い間こうやって物事を決めてきたことが分かります。
さらに、原作217話では、ヒナがアラバスタ王国を脱出しようとする麦わらの一味を取り逃がしたあと「あなたに頭にきてるのよ スモーカー君」「麦わらが逃げた事で あなたずいぶん嬉しそう…」と電伝虫ごしに語る場面も描かれていました。顔を合わせずともスモーカーの感情を読み取れるヒナに対して、恋愛関係であるかはさておき、同期という枠には収まりきらない「特別な絆」があると考えるファンも少ないようです。