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原作破壊?大人の事情も? 「改変」で物議を醸したアニメ3選

お気に入りのマンガ作品のTVアニメ化はうれしいものですが、多くのファンは原作の魅力を活かしたアニメを望んでいるのではないでしょうか。しかし、なかには大人の事情で原作に改変が加えられたり、大切な部分がカットされたりなどで賛否があったアニメ作品もあります。

原作と放送時期の時代背景の関係も?

原作ファンから賛否両論を読んだキャラデザイン『寄生獣 セイの格率』ビジュアル (C)岩明均/講談社・VAP・NTV・4cast
原作ファンから賛否両論を読んだキャラデザイン『寄生獣 セイの格率』ビジュアル (C)岩明均/講談社・VAP・NTV・4cast

 マンガ作品のTVアニメ化は、ファンをわくわくした気持ちにさせてくれますが、なかには大人の事情で原作に改変が加えられるなど、賛否のあったTVアニメも存在します。この記事では、そんな物議を醸した作品やファンの反応を振り返りましょう。

 1989年から1995年まで「アフタヌーン」(講談社)で連載されていた、岩明均先生のマンガ『寄生獣』は、時を経てアニメ化された作品です。1993年に第17回講談社漫画賞を受賞した同作は、主人公の高校生・泉新一が、自身の体に侵入した寄生生物・ミギーとともに、人間を捕食する寄生生物と壮絶な戦いを繰り広げるという物語でした。

 そんな同作は、2014年から『寄生獣 セイの格率』のタイトルでTVアニメ化された際には、原作とのキャラデザインのギャップや、原作連載時の90年代との時代背景の違いから物議を醸しました。

 特に全体的なキャラデザインに関しては、原作ファンから「誰?」「これじゃない感」といわれるほど現代的に変更されました。たとえば、原作では凛とした顔立ちの青年だった新一は、TVアニメでは眼鏡をかけた頼りない雰囲気になり、SNS上では戸惑うファンのコメントも見られました。またヒロインの村野里美も、おでこを出した現代風の髪型になり、原作とは異なるテイストで描かれています。

 時代背景としても、登場人物がネットやスマホを使用する様子や制服がブレザーに代わっている点など、TV放送当時に合わせた変更が加えられたため、原作ファンは違和感を持ったようです。

 このように改変部分に賛否はありましたが、ストーリーの流れは原作通りだったため、SNS上では「重点を置くべき描写は丁寧に描かれている」「ストーリー全体的にはよかった」などの声があるように「良い改変だった」ともいわれています。

 鬼頭莫宏先生によるマンガ作品『ぼくらの』も、TVアニメ化で賛否のあった作品です。

 本作は日本の近未来が舞台の、「操縦すれば死ぬ」という超巨大ロボット「ジアース」を15人の子供たちが操作し、地球を襲う巨大な敵と戦う物語です。子供たちが地球を救うために、ロボットを操作しては必ず命を落とすという「鬱展開」も話題となりました。

「第14回 文化庁メディア芸術祭」マンガ部門で優秀賞を受賞するほど優れたマンガとして評価された作品ですが、2007年にTVアニメ放送されると、原作ファンから「違和感ある」「設定がちがう」などさまざまな反応が出ました。

 たとえば、原作は子供たちが最後まで必死に戦った結果、全員死亡しますが、TVアニメでは生き残るキャラがいる点も大きな変更点のひとつでしょう。

 さらにアニメ監督の森田宏幸監督が自身のブログに、「原作が嫌い」という旨を綴ったことでも注目を浴びました。森田監督は後に自身の発言について同じくブログで謝罪し、子供たちが死ぬという運命を作者が肯定してしまっているかのように感じられる点に、納得がいかなかったことを明かしています。

 結果、多くの改変が加えられて原作とは違った展開になり、SNS上では「尺の事情なら仕方ないけど監督の好みで変えるのは納得いかない」「違う作品と思えば普通に面白いし好き」など、賛否を巻き起こしました。

【画像】え? こんな違うの? 改変が話題を呼んだアニメと原作を比較(6枚)

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