セガ初の携帯ゲーム機「ゲームギア」がゲームボーイに勝てなかったワケ
携帯ゲーム機の金字塔である「ゲームボーイ」の影に隠れ、「ゲームギア」は忘れられがちな存在かもしれません。フルカラーを実現し、ハイスペックだったセガ初の携帯ゲーム機は、なぜゲームボーイに及ばなかったのでしょうか。
セガ初の携帯ゲーム機が秘めていた可能性とは?

近年では「ニンテンドーDS」「プレイステーション・ポータブル(PSP)」「Nintendo Switch Lite」のように、ゲーム機を持ち運びながら、室内以外の場所でゲームを楽しむのが当たり前の時代になりました。
こうした携帯ゲーム機の草分け的な存在であり、金字塔といえば、やはり1989年に任天堂から発売された「ゲームボーイ」でしょう。
筆者の記憶でも、当時小学校の同級生のほとんどがゲームボーイを持っており、社会現象と呼べるほどの爆発的なヒットを記録しました。
しかし、それに対抗すべく、セガが1990年に携帯ゲーム機である「ゲームギア」を発売しました。
結果として販売台数などを比較すると「ゲームボーイ」に軍配が上がったと言わざるを得ませんが、ゲームギアはさまざまな可能性を秘めていました。そこで「ゲームギアがゲームボーイに勝てなかった理由」について振り返ります。
ゲームギアは、携帯ゲーム機としては国内初となる「4096色同時発色のカラー液晶パネル」を採用しています。当時主流だったゲームボーイはモノクロ液晶だったので、いち早く「カラーで楽しめる携帯ゲーム機」として勝負に出たのです。
しかも、ゲームギアは「TVチューナーパック」を購入することでテレビの視聴が可能になるという、当時は画期的な機能まで備えていました。
こうして日本では1990年10月に発売されたゲームギアは、登場から1か月で約60万台を売り上げ、最終的には全世界で1000万台以上も普及しました。
しかし、ライバルのゲームボーイは全世界で約4800万台も売れており、そのあとに続いた「ゲームボーイカラー」などの後継シリーズを含めた場合、1億台以上を売り上げています。
日本ではゲームギアの後継機は登場しなかったため、初代ゲームボーイに負けただけでなく、その後の携帯ゲーム機の主導権も任天堂に握られる結果になったのです。
ゲームギアがゲームボーイより普及しなかった理由を考えると、まずセガの移植タイトルが中心で、ゲームボーイほどの新たなヒットタイトルに恵まれなかったことが挙げられます。
そのうえゲームギアには「バッテリーのもちが悪い」というハード面での大きな弱点もありました。
ゲームボーイは、単3のマンガン乾電池4本で約15時間、単3のアルカリ乾電池4本の場合は約35時間もバッテリーがもちますが、ゲームギアはアルカリ乾電池6本で連続3~4時間程度という動作時間でした。
子どもとしては、なるべく長時間遊べたほうがいいですし、決して安くはない電池を消費するため、気軽に遊びづらい面があったのも事実です。
別売で「充電式バッテリーパック」という周辺機器はありましたが、コスパの面では圧倒的にゲームボーイのほうが優れていたのは間違いありません。


