劇場版『ガンダムSEED』公開へ 「宇宙世紀以外は認めない」問題を考える
劇場アニメ『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の公開を1月26日に控え、BS12では『機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディション』を夜7時からの「日曜アニメ劇場」で放映しています。ファーストガンダムを踏襲した物語設定と、キラやアスランたち主人公の瞳の大きさは、それまでのガンダムファンに衝撃を与えたようです。
ガンダムファンを二分する「認めない」問題

1979年にテレビ朝日系で放映が始まったSFアニメ『機動戦士ガンダム』は、国内外の多くのファンに愛され続けています。アニメファンだけでなく、ガンプラマニア、ゲーマー、コスプレイヤーなどガンダム愛好家は多岐に及び、もはや「ガンダム」はひとつの文化、産業だと言えるでしょう。
放映開始から45年という長い歴史があるため、富野由悠季監督が生み出したシリーズ第1作『機動戦士ガンダム』、通称ファーストガンダムを「聖典」のように敬う熱烈なファースト信者もいれば、富野監督以降の『ガンダム』をリアルタイムで観て育った世代もいます。
2002年~2003年にTBS系で放映された『機動戦士ガンダムSEED』は、「新世紀のファーストガンダム」を謳った意欲作でした。富野監督は制作にはタッチしておらず、『機動戦士ガンダム』や劇場アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)などで使われた「宇宙世紀」ではなく、「コズミック・イラ」という異なる紀元が採用されています。
2024年1月26日(金)から、福田己津央監督による劇場アニメ『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が公開されます。また、BS12の「日曜アニメ劇場」では『機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディション』が連続放映されるなど、『SEED』が再注目を集めています。しかし、富野監督が生み出した世界観であることを示した「宇宙世紀」ではない作品は『ガンダム』とは認めない、という辛辣な声を挙げるファースト信者や富野監督の熱烈なファンもいるようです。
ガンダムファンを二分する、「宇宙世紀」以外の作品はガンダムとして認めない問題について考えてみたいと思います。
キャラデザが衝撃的だった『SEED』
幅広いファン層に支持されている『ガンダム』ですが、一大勢力となっているのは、やはりファーストガンダムと富野監督が生み出した世界観「宇宙世紀」を舞台にした作品群に魅了された世代です。
戦場のリアルさ、戦争に巻き込まれていく少年少女たちの葛藤を繊細に描く富野監督の演出は画期的でしたし、富野監督作品ではない『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』などの「宇宙世紀」を舞台にしたスピンオフ作品にも、ガンダムの世界が広がっていく面白さがありました。ガンダムとともに人生を過ごしてきた世代でもあります。「認めたくないものだな」など、シャアの名言がつい口から出てしまうのも、この世代の特徴でしょう。
一方、21世紀初のガンダムシリーズとなった『SEED』は、ファーストガンダムを視聴していない若い世代や女性層をターゲットにした企画でした。『無限のリヴァイアス』(テレビ東京系)などで知られる平井久司氏が、キャラクターデザインを担当しています。タレント・モデルのMattさんをテレビで初めて見たときは衝撃を覚えましたが、『SEED』の主人公であるキラ・ヤマトやアスラン・ザラの目の大きさもインパクトが大でした。ランバ・ラルやドズル・ザビなど、味のあるオッサンたちが活躍したファーストガンダムのキャラクターたちとは大きく異なります。
ファースト信者は、『SEED』のビジュアル面にまず抵抗を感じたようです。





