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『トトロ』の劇伴は救いがない? 実は「怖い歌詞」だったジブリ音楽3選

スタジオジブリ作品が国民的な人気を博している理由として、劇中で流れる曲のクオリティが異様に高いことが挙げられます。これまで数々の名曲が生み出されてきたので、誰しもお気に入りの1曲が存在するのではないでしょうか。しかし、実はそんなジブリ音楽のなかには、思わずゾッとするような「怖い歌詞」の楽曲も含まれていました。

最後まで聞くとちょっぴり怖い『トトロ』の劇伴

画像は『となりのトトロ』場面カット (C)1988 Studio Ghibli
画像は『となりのトトロ』場面カット (C)1988 Studio Ghibli

『いつも何度でも』や『君をのせて』、『人生のメリーゴーランド』など、スタジオジブリ制作の劇場アニメには名曲が付き物です。壮大なファンタジーの世界観を築き上げるうえで、音楽の力が大きな影響を及ぼしたことは疑いようがないでしょう。しかし、実はそんなジブリ音楽には、よく聞くと恐怖を感じてしまうような歌詞の楽曲が少なからず存在していました。

 たとえば有名なのが、『となりのトトロ』の『まいご』という曲です。物語終盤、サツキが迷子になったメイを探しているシーンで使用されており、劇中ではメロディしか流されていませんが、サウンドトラックには歌手の井上あずみさんの歌声が入ったバージョンが収録されていました。その歌詞には「さがしても みつからない まいごの子」と、迷子の妹を探す人物の心情がつづられており、メイに対するサツキの想いが表現されているように見えます。

 しかし最終的にハッピーエンドを迎えた本編のストーリーとは違って、この楽曲では迷子が見つからないまま曲が終わります。「へんじして おねがいだから」「もどってきて おねがいだから」などと切実な願いが歌われる一方で、最後は「どこかしら どこかしら」と締めくくられるのです。

 そうした歌詞に加えて、全体的に悲しげな曲調となっていることも不穏なイメージの原因でしょう。もしかするとメイが帰らぬ人になってしまう「もうひとつの世界線」を歌った曲だったのかも……というのは考えすぎでしょうか。

 また『千と千尋の神隠し イメージアルバム』に収録されている『さみしい さみしい』は明るい曲調ながら、ホラーテイストの歌詞となっています。同楽曲で歌われているのは、油屋で大暴れする不気味なキャラクターであるカオナシの心情でした。

 楽曲のなかでは、カオナシが抱えるひとりぼっちの孤独感が表現される一方で、孤独を埋めてくれる存在への底なしの欲望があふれ出していきます。「たべたい たべたい 君 たべちゃいたいの」「すぐ逃げちゃう寂しい夢よりも 君 おなかに入れたいの」といったフレーズからは、カオナシの秘めた狂気が伝わってくるでしょう。

 ちなみにこの曲は宮崎駿監督が映画の制作中に書き留めたイメージメモをもとに、作曲家の久石譲が仕上げたものなので、カオナシというキャラクターをより深く理解したいファンにとっては必聴といえるかもしれません。

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