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『トトロ』の劇伴は救いがない? 実は「怖い歌詞」だったジブリ音楽3選

『ルージュの伝言』もよく聞くと怖い?

恐怖とは無縁そうな『ルージュの伝言』だけど…… 画像は『魔女の宅急便』場面カット (C)1989 角野栄子・Studio Ghibli・N
恐怖とは無縁そうな『ルージュの伝言』だけど…… 画像は『魔女の宅急便』場面カット (C)1989 角野栄子・Studio Ghibli・N

 そしてホラー的な恐怖というよりは、男性の心理を突いたサスペンス的な恐怖を感じさせるのが、『魔女の宅急便』の主題歌『ルージュの伝言』です。もともと発表済みだった松任谷由実さんの曲が主題歌に選ばれたという特殊な経緯があるものの、広い意味では「ジブリ音楽」のひとつといえるでしょう。

 主人公のキキがほうきにまたがって旅に出発し、猫のジジにラジオを付けさせると、『ルージュの伝言』の陽気なリズムが流れ出す……。ジブリ作品でも屈指の名シーンを生んだ伝説の1曲ですが、その歌詞はかなりインパクトが強いものでした。

 同楽曲は明るい曲調に反して、昼ドラのようにドロドロとした世界観が表現されています。設定としては、恋人の浮気を知った女性が家を出て、彼の母親に会いに行くというもので、歌の出だしから「あのひとはもう気づくころよ バスルームに ルージュの伝言」という強烈な一節が飛び出します。

 バスルームの鏡に真っ赤なルージュ(口紅)で恋人へのメッセージを残したということでしょうが、実際にその光景を想像するとかなりの迫力を感じられます。とくに家にポツンと残された男性側の目線で見ると、トラウマ級の出来事といえるでしょう。

 本編ではピュアな少年少女の爽やかなラブストーリーが展開されていた分、ドロドロとした恋愛の歌詞には大きなギャップを感じざるを得ません。おそらくはキキも歌詞の意味をあまり分からずに聞いていたのではないでしょうか。

 ちなみに歌手の吉澤嘉代子さんが2016年にリリースした『東京絶景』のアルバム曲「化粧落とし」には、面白い一節がありました。ユーミンを真似して車に「ルージュの伝言」を残すと「警察沙汰」になった……という身も蓋もない現実的な目線の歌詞がつづられているのです。

 ジブリ作品は「本当は怖い」という考察が盛り上がることで有名ですが、その楽曲にも解釈の余地が多く残されています。この機会に各作品の劇伴やイメージソングにも目を向けてみてはいかがでしょうか。

(ハララ書房)

【画像】そもそもジブリは「怖い場面」がいっぱい! みんなのトラウマになった名場面の数々(5枚)

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