「ヒロイン火葬」でみんなのトラウマに… ファン困惑のアニオリ展開3選
いわゆる「アニオリ展開」はただでさえ賛否を招きがちですが、なかにはあまりに衝撃的な原作改変を行ったため、多くの視聴者がトラウマを植え付けられてしまったアニメも存在するようです。今回は『魔法先生ネギま!』を筆頭に、ある意味伝説といえる3つの作品を取り上げてみました。
衝撃のアニオリ展開、許せる? 許せない?

マンガをアニメ化する際には、多かれ少なかれ原作にはないオリジナル要素を盛り込むことが避けられません。ときに想像の斜め上を行く展開が描かれることもあり、アニメファンのなかには、その衝撃を何年経っても忘れられない……という人も存在するようです。
たとえば2005年に放送されたTVアニメ第1作目の『魔法先生ネギま!』は、その代表例のひとつといえるのではないでしょうか。同作は『ラブひな』の赤松健先生による学園ラブコメを、XEBECがアニメ化した作品です。魔法学校を卒業した10歳の少年ネギ・スプリングフィールドが、修行として女子校の先生となり、31名の女子生徒たちとドタバタ劇を繰り広げていく……というストーリーでした。
当時はアニメの原作改変が当たり前のような時代でしたが、同作はとくに大胆にストーリーがアレンジされていたことで有名です。なかでも原作ファンにトラウマを植え付けたのが、メインヒロインである神楽坂明日菜の「死」が描かれた第23話でした。
アニメ版の明日菜は、魔将軍との契約によって「完全魔法無効化(マジックキャンセル)」を会得した設定になっており、その代償として14歳の誕生日を迎えると魂を奪われる宿命にありました。そしてエンディング後のCパートでその呪いが発動し、ネギの目の前で命を落としてしまうのです。
百歩譲ってそれだけならまだしも、続く第24話は明日菜が火葬にかけられるシーンから始まります。最終的に明日菜は生き返り、一応はハッピーエンドに落ち着きますが、多くの視聴者がショックを受けたことはいうまでもありません。
ヒロインを死亡させたアニオリ展開でいえば、2014年に放送された『アカメが斬る!』にも注目したいところです。圧政を続ける帝国に天誅を下すべく暗躍する殺し屋集団「ナイトレイド」をめぐる物語で、メインキャラクターが次々に死亡する作品としても知られています。
アニメ版も概ね原作通りにシナリオが進行していったのですが、19話以降は原作が連載中だったこともあってアニメだけのオリジナル展開が盛り込まれていきました。なかでもファンを動揺させたのが、「ナイトレイド」の一員でヒロインのひとりでもあるマインの死です。原作だと彼女は男性主人公のタツミと結ばれる運命にあり、ふたりの愛は終盤における大きな鍵となっていました。
ところがアニメ版のマインは、ブドーという大ボスとの戦いで精神エネルギーを使い果たし、タツミに看取られながら力尽きてしまうのです。さらにタツミも程なくしてラスボス戦で死闘を繰り広げ、最後は民衆をかばう形で死亡してしまいます。これまで原作に沿う形で物語が進行していただけに、ふたりが死亡する展開は大きな反響を呼びました。
一方、ファンを困惑させたアニオリ展開は、死亡シーンだけではありません。メインキャラクターの闇堕ち展開を描き、ファンを騒然とさせたのが2012年に放送された『マギ』のアニメ第1期です。
同作は主人公のアラジンと、もうひとりの主人公であるアリババ・サルージャの冒険を描いたファンタジー作品で、原作ファンも楽しめるオリジナル展開が随所に盛り込まれていました。
しかし第1期の24話で描かれた通称「堕転アリババ」に対しては、賛否両論が起こる事態になります。「堕転」とは、通常は白く輝いている魂の源泉「ルフ」が黒く染まってしまう現象のことです。基本的に悪しき者が「堕転」の道へ進むのですが、アリババは敵に唆される形で「ルフ」を黒く染め上げられてしまいました。
原作では「堕転」と縁遠い存在として描かれてきただけに、「堕転アリババ」を受け入れられなかったファンは多かった模様です。ネット上には「どんなつらいことがあっても決して運命を恨まないのがアリババくんであって、堕転したらそれはもうアリババくんではないのよ」「当時はアリババ最推しだったので、堕転したときは心から呪った」などの声があがっていました。
ヒロイン死亡や主人公の闇堕ちなど、衝撃的なアニオリ展開は良くも悪くも多くの人の心に刻まれているようです。
(ハララ書房)