ゴミスケでもハイエナでもない! 『サザエさん』ノリスケが実は「有能」だった神回とは?
ノリスケはケチじゃなかった!

3つ目は「もてもてノリスケ」(2020年9月13日放送)です。普段はケチなことで知られるノリスケですが、実はそうではないと分かるエピソードでした。タイコがイクラを連れて帰省する間、ノリスケは磯野家の世話になることになります。そこはさすが人気者、子供たちはノリスケの周りから離れません。
大人たちもノリスケに夢中です。夜は仕事から帰ってきた波平とマスオが、ノリスケと酒盛りしようと張り切っています。タイの尾頭付きの刺身に煮物、瓶ビール4本を前にしたマスオは「思いっきり飲める」と怪気炎をあげますが、子供たちに「飲みすぎないで」と釘を刺されました。翌日の日曜日、ノリスケは遊園地へ行く約束をしていたのです。
翌朝きっちり起きて、子供たちを連れて出発したノリスケは、サザエの心配をよそに遊園地で自分の財布が空になるまで遊び倒しました。帰宅後、波平の部屋を訪れたノリスケは、「おじさん、これお返しします」と茶封筒を差し出します。波平はノリスケに遊園地へ子供を連れて行ってほしいと頼み、お金を渡していたのです。
しかし、ノリスケは遊園地代をすべて自腹で負担するつもりでした。「十分お世話になってますから」とサラリと日頃のお礼を言うノリスケに、サザエたちも「律儀なところもあるのね」と感心しきりでした。
毒のない平和なお話だったので、世の「ノリスケウォッチャー」にはやや不満が残ったようでしたが、ノリスケの律儀さ、ノリスケが磯野家の人びとにいかに愛されているかがよく分かるエピソードでした。
仕事ができて、博学で、律儀で、子供にも大人にも人気がある。それがノリスケなのです。だからこそ、多少のヤンチャも愛嬌として許されるのでしょう。「クズ」だの「ゴミスケ」だのと笑っている人は、ノリスケを見てわが身を省みるべきなのかもしれません。
(大山くまお)




