ファミコン世代が感動した「神移植作品」3選 「よくぞ再現してくれた」「違った魅力も」
グラフィックBGMともに「ファミコンの最高峰」

●ファミコンの性能を超越した移植作品?
1988年のアーケードゲーム界は、コナミがリリースした『グラディウスII -GOFERの野望-』が席巻しました。従来のシューティングゲームとは一線を画す美しいグラフィック、しびれるほどカッコいいBGMに魅了されたファンは多いことでしょう。
人工太陽からドラゴンが飛び出すステージや、神秘的な結晶が印象深いステージ、そして『グラディウス』から続く伝統のモアイステージなど、当時のアーケードゲームの最高峰ともいえるクオリティに感動させられました。
そして同年の12月、早くもファミコンへの移植作『グラディウスII』が発売されます。過去にも『グラディウス』『沙羅曼蛇』などがファミコンに移植されましたが、ハード性能の限界から、どうしても本家と比べると大きく見劣りする部分が目立ちました。しかし、ファミコン版の『グラディウスII』は、これまでとはひと味違う「移植作品」だったのです。
ファミコン版『グラディウスII』をプレイすると、最初から「アーケード版の完全再現」は狙っていないことが分かります。本家『GOFERの野望』の「らしい部分」はしっかりと再現しつつも、技術的に難しい部分はオリジナル要素に変更、さらにファミコン版ならではのアレンジも加えられています。
たとえば、1面の人工太陽のステージは、太陽のなかからファイヤードラゴンが出てくるエリアを抜けると、『沙羅曼蛇』の3面を彷彿させるプロミネンスが吹き出すエリアが追加されています。本家にはない変更点ですが、こういう粋なオマージュなら、歴代シリーズを遊んだプレイヤーはニヤリとさせられます。
また、それまでのファミコン移植では技術的に難しいとされていた「最大4つまでのオプションがつく」部分が実現したり、自機パワーアップ時の「英語ボイス」が実装されたりと、確実に開発技術の進歩が感じられます。
そして一番驚かされたのは、到底ファミコンソフトとは思えない、高いクオリティのBGMです。本家『GOFERの野望』のBGMは、心地よいオーケストラヒットが印象的でしたが、それをファミコンの音源で再現しています。もちろん音の厚みなどはアーケード版に及びませんが、単体のBGMとして十分聴き応えのある仕上がりです。
さらに、ファミコン版のオリジナル曲が追加されていたり、エンディング曲が原曲の作曲者によって追加アレンジされていたりと、「ファミコン版だからこそ」の追加要素も目立ちます。オリジナルからの改変は歓迎されないこともありますが、『グラディウスII』の場合は改変のクオリティそのものがきわめて高いので、むしろ称賛したくなります。
今では、アーケード版『GOFERの野望』の忠実な移植作品がさまざまなハードで遊べますが、ファミコン版『グラディウスII』はアレンジ部分が多いので、オリジナル版とは違った魅力を楽しめる作品といってよいでしょう。
ファミコンへの移植は、ハード面の制約があるだけに開発者の苦労も大きかったはずです。それだけに「神移植」と呼ばれるような良質な移植作品を生み出したクリエイターには、リスペクトを感じざるを得ません。
(大那イブキ)




