なぜ無名? と言いたくなる「ガンダム」シリーズの名もなき手練れによる魅せるバトル
目が追いつかない…! 美しさすら感じさせる手練れのバトル
●戦艦の砲撃をかいくぐりビームサーベルを撃ちあう2機 『機動戦士ガンダムF91』

『機動戦士ガンダムF91』は、平穏だったスペースコロニー「フロンティアIV」に「クロスボーン・バンガード(以下C・V)」のMS部隊が強襲するシーンから始まります。
防衛する地球連邦軍とは練度が雲泥の差で、C・VのMS「デナン・ゾン」は次々と連邦のMS「ヘビーガン」や「ジェガン」を撃破します。
なかには、スウェーバックしながら逃げるヘビーガンを追いかけるデナン・ゾンが、槍状の格闘&射撃武器「ショットランサー」で「ビームライフル」の砲身を弾き、そのままコックピットに撃ち込むという流れるような美しいムーブを見せました。
その後、今度は連邦の戦艦が宇宙空間からフロンティアIVを強襲し、コロニー目がけてメガ粒子砲を発射します。一方で、コロニー外ではMSの白兵戦も行われており、何発も撃ち込まれるメガ粒子砲をかいくぐりながら、ヘビーガンとデナン・ゾンがビームサーベルを数合打ちあうシーンがありました。見逃してしまうほどの一瞬の戦闘ですが、逃げ場の無いまさに「死闘」が描かれています。
●無謀か蛮勇か? ファンネルに怯まないスタークジェガンの名無しパイロット 『機動戦士ガンダムUC』
『機動戦士ガンダムUC』の名無しのパイロットの活躍は、物語冒頭に訪れます。
「ネオジオン軍(袖付き)」の「マリーダ・クルス」はMS「クシャトリヤ」で単騎出撃、連邦軍のジェガンタイプMS4機と接敵します。
先行してきた「ジェガン」3機をファンネルで難なく撃墜し、ただのネームドパイロットの権威付けバトルかと思いきや、最後の「スタークジェガン」が曲者でした。
このスタークジェガンは、先に僚機が撃ち落とされているにもかかわらず、進撃にためらいを見せずミサイルなどで応戦します。撃ち切るとミサイルポッドの装備を切り離して機体を身軽にし、ファンネルの砲撃をぬってクシャトリヤへ肉薄、ビームサーベルで撃ちあいます。
クシャトリヤもサーベルで応戦し数合……退くことを知らないスタークジェガンはとどめの突きを狙ったところで胴体を真っ二つに一刀両断されてしまいました。
機体の性能差や僚機の撃墜にもひるまず、完全にクシャトリヤの首を獲りに行っているこのスタークジェガンの名無しのパイロットは、ガンダム史に残るモブの矜持をうかがわせる名場面ではないでしょうか。
(南城与右衛門)



