古谷徹氏の「アムロ」はどうなる? 「アニメで出さなければいい」とはならない危機的状況
アニメ作品での「アムロ登場」はなくとも、心配が続くワケ

さらにいえば、昔と今とでは声優に対する世間の注目度がまるで異なるという事情もあります。仮に30年前であれば、声優といえば「裏方」の存在であり、そもそも「声優の不倫」のニュースが報じられたかどうかすら疑わしいでしょう。
かつてに比べるとアニメの社会的価値は上がり、関わる予算の規模も大きくなり、声優は大きな注目を集める存在となりました。しかし、ベテラン声優のなかには昔の「裏方としての声優」の感覚が心のどこかに残っており、スクープを狙う記者たちの格好のターゲットになっているのが現状ではないでしょうか。声優は「自分たちの行動はニュースになってしまう」ことを常に頭に入れて、普段の言動に細心の注意を払わなければならない状況になっているのです。
今回の報道を通じて、最も心配されているのが『機動戦士ガンダム』の「アムロ・レイ」がどうなるのか? という問題です。バンダイナムコフィルムワークスからは「慎重に検討して対応したい」とのコメントも出ており、現時点では降板するかどうかは明らかではありません。
アムロは現在の40代から60代の人びとに極めて高い人気があるキャラクターであり、交代した場合どれほどの影響があるのか、想像がつきません。かつてTVアニメ『機動戦士ガンダムさん』で代永翼氏がアムロ役を担当したことがありますが、あくまでそれはギャグ作品であり、ほかの役も全員(CMを除く)交代していたため、特に問題とはなりませんでした。
うわさレベルでは、芸人の若井おさむ氏が代役を務めるという話も流れていますが、声優とモノマネは演技の種類が異なります。かつて「ルパン三世」役を務めた山田康雄氏が他界した際、モノマネ芸人の栗田貫一氏が引き継いだという前例もありますが、これは奇跡的な事例であり、同じようなことを芸人に要求するのは酷でしょう。
『機動戦士ガンダム』はそもそも過去の作品なので、アムロを出さなければいいという声もありますが、「ゲーム」の問題があります。アムロは「スーパーロボット大戦」シリーズや「ガンダムVS.」シリーズをはじめとする、膨大な数のゲームに登場する重要キャラクターです。特に「SDガンダム GGENERATION」は最新作「エターナル」が始動しており、キービジュアルの一番手前に描かれているのは「RX-78-2 ガンダム」、アムロ・レイの愛機です。『機動戦士ガンダム』をバイブルとしてきたファン層にとって、予断を許さない状況が続くでしょう。
(早川清一朗)




