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覚えていないのも納得…? これが『超獣機神ダンクーガ』のあまりに衝撃的な最終回だ

TVアニメ『超獣機神ダンクーガ』は、スーパーロボット系でありながらリアルロボットの要素もうまく混ぜ込んだ作品で、重厚な人間ドラマがひとつの見どころとなっています。しかしその最終回は、あまりにも不完全燃焼感のある結末でした。

敵国に亡命した男の末路はかつての恋人の手によって……

「EMOTION the Best 超獣機神ダンクーガ DVD-BOX 1」(バンダイナムコフィルムワークス)
「EMOTION the Best 超獣機神ダンクーガ DVD-BOX 1」(バンダイナムコフィルムワークス)

『機動戦士ガンダム』をはじめとするリアルロボットアニメがブームとなった1980年代、「軍所属のスーパーロボット」という、当時にしては珍しいロボットアニメが誕生しました。それが『超獣機神ダンクーガ』です。

 同作は『宇宙戦士 バルディオス』や『魔法のプリンセス ミンキーモモ』などで知られる葦プロダクション制作のオリジナルアニメで、1985年4月から同年12月にかけて全38話が放送されました。主人公の「藤原忍」を務めたレジェンド声優、矢尾一樹さんの代表作としても知られており、忍の決めゼリフである「やってやるぜ!」は、他作品でもたびたび「中の人ネタ」として用いられています。

 また今になって思えば、当時の制作スタッフはのちのアニメ史に名を残す名だたるメンバーばかりでした。例えばキャラクターデザインを担当した「いんどり小屋」のメンバーには、『美少女戦士セーラームーン』を手掛けた只野和子さんも含まれています。さらにメカニックデザインは「機動戦士ガンダムSEED」シリーズのキャラデザで知られる平井久司さん(ダンクーガは「平井寿」名義)と、『勇気爆発バーンブレイバーン』の大張正己さんが共同で担当していました。

 物語のおおまかなあらすじは、宇宙からやってきた侵略者と戦うため、藤原忍をはじめとする4人の若者が「獣戦機」とよばれる機動兵器に乗って戦う……というものです。敵は「ムゲ・ゾルバドス帝国」とよばれる侵略軍で、そのトップには怪物じみた仮面をつけた「ムゲ帝王」が君臨しています。さらに構成員のなかには「バイオリレーション」という肉体改造手術を受けている者も多くおり、異星からの侵略者然としたキャラクター揃いでした。

 そのようなムゲ・ゾルバドス帝国との攻防が描かれる一方で、愛憎渦巻く人間ドラマも展開されていくのが同作の特徴です。その人間ドラマの渦中にいたのが、同作のヒロインにして獣戦機隊の紅一点「結城沙羅」と、彼女の恋人「シャピロ・キーツ」でした。

 シャピロは主人公たちが通う士官学校の教官でもありましたが、第1話でムゲ・ゾルバドス帝国に亡命して以降、帝国の軍指揮官として何度も忍たちの前に立ちはだかることになります。当初は沙羅もシャピロと一緒にムゲ帝国へ寝返ろうとしていたものの、これを忍に阻止され、シャピロとは離れ離れに……。ここからふたりの愛憎劇、ひいては忍、沙羅、シャピロの三角関係が展開されていくのです。

 そして最終話の前話となる第37話「暗黒の終焉」では、沙羅とシャピロが対峙し、彼らの因縁に悲しい終止符が打たれることになります。実はふたりを引き合わせたのは、帝国の女参謀である「ルーナ・ロッサ」で、実のところ彼女には、作中で一時シャピロに惹かれているような描写が見受けられました。

 しかし最終局面において、ルーナは彼を切り捨てる決心をします。さらにそれだけではなく、かつての恋人にシャピロを殺させようと企み、基地のシステムを操作して巧みに沙羅を誘導するのです。最終的にその企みは成功し、シャピロは沙羅の腕のなかで息を引き取るのでした。

 こうしてふたりの愛憎劇は幕を閉じ、いよいよ迎えた最終回。ムゲ帝国との最終決戦は、いったいどのような結末を迎えたのでしょうか。実は『超獣機神ダンクーガ』の最終回は、なんとも不完全燃焼感のあるラストで幕を閉じました。

【画像】旧ヒロインの結城沙羅とそっくり? 『獣装機攻 ダンクーガ ノヴァ』の主人公「飛鷹葵」(3枚)

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