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スーファミ『弟切草』が与えた影響 『快傑ズバット』脚本・長坂氏の借金がきっかけ?

1992年3月7日にチュンソフトから発売されたスーパーファミコン版『弟切草』は、シナリオと音、映像効果で作り上げられた新たなジャンル「サウンドノベル」を確立させ、多くのプレイヤーに衝撃を与えました。シナリオを手掛けたのは、『快傑ズバット』などで知られる長坂秀佳氏です。

『弟切草』がサウンドノベルという新たなジャンルを開拓

『弟切草』画像はWii U用ダウンロード版(スパイク・チュンソフト)
『弟切草』画像はWii U用ダウンロード版(スパイク・チュンソフト)

 1992年3月7日にチュンソフトから発売されたスーパーファミコン用ソフト『弟切草』は、シナリオと音、映像効果で作り上げられた新たなジャンル「サウンドノベル」を確立させ、多くのプレイヤーに衝撃を与えました。『弟切草』に影響を受けたクリエイターは数多く、現在でも日本を代表するトップクリエイターとしても活躍していいます。当時から今へと繋がる『弟切草』について、ライターの早川清一朗さんが語ります。

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 初めて『弟切草』を見たのは、高校の先輩宅だったと思います。皆で遊んでいるときに、ある先輩が「面白いゲームがあるぞ」と言って見せてくれたのが『弟切草』でした。それまで画面のなかをキャラクターが動くゲームをたくさんプレイしてきた筆者にとって、選択肢で分岐していくまったく予想がつかないシナリオ展開と、要所要所で繰り出される音と映像の演出は、これまで見たことがない新しい世界でした。

 ホラーあり、シリアスあり、ギャグもあり。縦横無尽に変化していく無限にも思えたシナリオの中で、一番インパクトがあったのはやはりピンクのしおりです。先輩は皆に見せるために、ある程度ゲームが進むと現れるピンクのしおりをあらかじめ出してくれており、筆者をはじめとする若いゲーム仲間たちはテキストの一文一文に興奮していたのを憶えています。

 筆者もすぐに『弟切草』を買おうと思い探し回りましたが、どこに行っても品切れでした。中古ショップに行ってもまるで見つからなかったのです。スーパーファミコンのカセットは再販に時間がかかることが多く、静かに人気が出ているカセットを手に入れるのは難しいことがあったのです。結局入手したのはだいぶ後のことになりましたが、当然ガッチリとやりこんでピンクのしおりも出すことに成功しています。

 ゲームの世界に新風を吹き込んだ『弟切草』のプロデューサーは、国民的RPG『ドラゴンクエスト』の開発に携わっていた中村光一氏。『ドラクエV』を最後にドラクエシリーズから離れた中村氏は、自らの会社「チュンソフト」(現:スパイク・チュンソフト)を設立し、独自のゲーム開発を開始します。その第一弾が『弟切草』だったのです。

【画像】『弟切草』に始まった、サウンドノベルゲーム

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