オリジナルありそう?『鬼滅の刃』賛否分かれた「原作最終回」はアニメでどうなる
鍵になるのは鎹鴉? 「描き下ろし8ページ」?

では、アニメでは最終話はどう描かれるのかを勝手に妄想してみます。
まず、最終話での「現代」は「あり」か「なし」については、「あり」と考えます。なぜなら、鬼殺隊の目的であった「鬼のいない平和な世の中にする」ことが完了し、継続していることを見せる必要があるからです。
これは、『鬼滅の刃』における重要なキーワード「つなげる」にもかかわってきます。炭治郎や柱たち、鬼殺隊の人びとの命や思いが、後世に「つながった」ことを見せるのは作品として必須であり、意義があることです。
ただ、『鬼滅の刃』の現在の市場やファンの規模や思いの深さは、連載終了当時とは比べものにならないほど拡大しているといえるでしょう。そして最終話は、劇場版「無限城編」の3部作に料金を払って観に行った人たちが、その後に期待いっぱいで観るのですから、そんなファンを満足させるのに、登場人物たちが輪廻転生した現代のチラ見せではとうてい、足りないと思えるのです。
もちろん最終回に向けて、ファンブックの『鬼殺隊見聞録・弐』に掲載された「炭治郎の近況報告書」のアニメ化や、「水柱」の「冨岡義勇」と「風柱」の「不死川実弥」の「その後」、「青い彼岸花の謎」や「竈門家を無惨が襲った理由」「禰豆子が日光を克服した理由」「産屋敷家の呪いのその後」などの謎の回収、「愈史郎のその後」「現代に受け継がれるヒノカミ神楽」などのアニメオリジナルストーリーの追加は、十分に考えられるところです。
しかし、それらを盛り込んだとしても、まだまだ『鬼滅の刃』という壮大なストーリーを締めくくるには足りません。
『鬼滅の刃』の最後を飾るにふさわしいのは、現代の最終話に批判的だった人たちも納得し、アンチ勢も涙したと話題になった、「単行本の23巻に収録された8ページの描き下ろし」しかないように思えます。
そして、『鬼滅の刃』には、登場人物たちに語りかけるような詩的なメッセージを読み上げる大役を担うにふさわしい、鎹鴉を演じた大物声優たちがいます。ただの妄想ですが、このような演出もありえるのではないでしょうか。
静かな田舎にある産屋敷宅をねぐらにするのは、輪廻転生した鎹鴉たちの子孫です。朝が来て、日本最高齢となっても元気な「産屋敷輝利哉」や彼の子や孫、ひ孫たちからエサをもらうと、カラスたちは、現代の「鬼のいない世界」の空へと飛び立ちます。彼らは自由に空を飛び回り、たまに「柱や鬼殺隊の隊士たちの子孫および輪廻転生した彼らが幸せに暮らしている様子」の様子を見守るのを楽しみにしているのです。
学校に通ったり、好きな職業についていたり、結婚したりと幸せそうにしている彼らと、ご先祖である鬼殺隊時代の姿が交錯します。そこに単行本の23巻に収録された8ページ分のメッセージが、鎹鴉たちを演じた大物声優たちによって挿入されていくというのはどうでしょう。
壮大なオーケストラバージョンで主題歌のメドレーを聞きたい、「大正コソコソ話」のエピソードもたっぷり入れて欲しい、前身であるマンガ『鬼殺の流』を線画のままアニメで見たい、もはや「終わって欲しくない」……など、『鬼滅の刃』に関するファンの思いはさまざまありそうです。最終章に向けて、『鬼滅の刃』がどのような展開を見せるのか妄想しながら、最後まで楽しみましょう。
(山田晃子)


