『鬼滅の刃』鳴女の心の声「早く帰って」がかわいい… 第2回パワハラ会議でのつぶやき
吾峠呼世晴先生による漫画(マンガ)『鬼滅の刃(きめつのやいば)』(ジャンプコミックス/集英社)に登場する琵琶鬼、鳴女(なきめ)について解説します。初登場は「無惨様のパワハラ会議」。その後、空席となった上弦の肆に昇格します。
- ネタばれ注意
『鬼滅の刃』鳴女とは?
『鬼滅の刃』の琵琶鬼・鳴女。彼女は単行本6巻で初登場しました。ファンの間で「無惨様のパワハラ会議」と呼ばれるシーンです。
鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)が下弦の鬼たちを集めた「無限城」。この城を作っている鬼が鳴女です。この時は顔を隠す長い髪に和服姿。そして琵琶を持っていました。
琵琶を鳴らすことで無限城を操作し、相手を招き入れたり追い出したりできます。また、部屋を自在に動かして敵を全く違う場所へ移動させられます。
炭治郎たちが無限城に招き入れられた時には、上弦の肆に昇進していました。髪に隠れていた単眼が現れ、建物を操って鬼殺隊を翻弄します。
鳴女の心の声
鳴女という名の割にはあまり喋りませんが、心の中では色々と考えているようです。上弦の鬼たちが集められた時は、ユニークかつ身にしみる感想を脳内でつぶやきました。
無限城に上弦の鬼が集められたのは、約百年ぶり。上弦の伍・玉壺(ぎょっこ)は上弦の参・猗窩座(あかざ)に「私はもしや貴方がやられたのではと心が躍った…ゴホゴホン!」と、死んだのではないかと期待しています。上弦の肆・半天狗(はんてんぐ)は無惨に呼ばれたのが113年ぶり、奇数であることに「怖ろしい怖ろしい…」と震えます。そして上弦の弐・童磨(どうま)はなれなれしく猗窩座の肩に手をかけます。
「腕をどかせ」
言うなり猗窩座は童磨を殴り飛ばします。血を吐いた童磨は怒りもせず、猗窩座が強くなったことを褒めます。
そこに黒死牟(こくしぼう)から無惨の来訪が知らされました。
上弦の陸・堕姫(だき)と妓夫太郎(ぎゅうたろう)が倒され機嫌の悪い無惨。話が終わって玉壺と半天狗が出かけようとした時、童磨が自分もいきたいと言いだします。その瞬間、イラついた猗窩座は、童磨の頭を半分吹き飛ばしました。
そんな上弦同士の殺伐とした光景を見ていた鳴女は、内心で考えます。
(早く帰って くんないかな)
このつぶやきが描かれたのは、単行本12巻の第98話の後ろにあるおまけページ。この後、鳴女は「おーい琵琶の君 もし良かったらこの後俺と」と誘われ、ついに童磨を追い出しています。鳴女のつぶやきに、なかなか帰らない上司のために居残り残業をしている時の気分を思い出して共感する、という人もいます。
鳴女の血鬼術
鳴女は無限城の決戦で、鬼殺隊士たちを苦しめます。鳴女の空間を移動させる術に、恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)と蛇柱・伊黒小芭内(いぐろ・おばない)は苦戦させられます。
そこへやってきたのは愈史郎(ゆしろう)。鳴女に気付かれないように近づき、彼女の視覚と能力を乗っ取ろうとします。
鳴女の視界を奪った愈史郎は、無惨と対決していた炭治郎たちのもとに蜜璃と伊黒を送り込みます。鳴女の異常に気付いた無惨は、愈史郎の支配を外して逆に彼を吸い取ろうとしました。
しかし、伊黒と冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)が無惨に攻めかかります。愈史郎の支配を拒むため、鳴女の頭部は無惨に潰されましたが、炭治郎も攻撃に参加。無惨の気がそれた隙に愈史郎は無限城を外へ引きずり出しました。
鳴女の人間時代
鳴女は人間だった頃、琵琶を演奏してお金をもらっていました。あまり有名ではなく、夫が博打狂いのせいで貧しい生活を強いられます。
そんなある日、夫がたった一着しかない演奏用の着物を博打のために売り払ってしまいました。激怒した鳴女は金づちで夫を撲殺。そのままの姿で仕事へ向かいますが、夫殺しで強ばった手で鳴らした演奏が褒められます。
味を占めた鳴女は人を殺してから琵琶を弾くようになりました。演奏は高い評価を受けますが、ある時、無惨を殺そうとして逆に討たれます。ところが無惨は鳴女を気に入り、鬼にしたのでした。
鳴女は名裏方?
鳴女の血鬼術は、無限に部屋を作って操作できるという便利なものです。もともと琵琶の演奏をしていたと考えると、広い部屋でたくさんの人たちに琵琶を聞いてもらいたいという考えが術に反映したのでしょうか。
鬼殺隊を苦しめた能力ですが、パワハラ会議や最後の決戦は彼女の能力あってのもの。『鬼滅の刃』という作品の名裏方と呼べるでしょう。
(マグミクス編集部)