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『鬼滅の刃』お館様・産屋敷耀哉の強さはどれほど? 病、無惨との因縁

吾峠呼世晴先生による漫画(マンガ)『鬼滅の刃(きめつのやいば)』(ジャンプコミックス/集英社)に登場する、お館様こと産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)について解説します。産屋敷耀哉は病気がちですが、人をリラックスさせる声と天才的な勘をもち、他人を思いやる心と目的を達成する強い意志を持って戦いました。

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『鬼滅の刃』お館様・産屋敷耀哉とは

 産屋敷耀哉は、代々鬼殺隊のトップを務める産屋敷家の当主です。耀哉の父は鬼殺隊当主の重圧に耐えられず、19歳で自殺。耀哉はたった4歳で当主に任命されています。父と違い耀哉の精神は強く、23歳まで当主を務め上げました。

 また、産屋敷一族は1/f(エフぶんのいち)ゆらぎという、他者の心を落ち着かせる声を出せます。さらに勘が鋭く、危機を回避する能力もありました。耀哉はこのふたつの能力に優れていたといいます。しかし、一族から鬼舞辻無惨を出した呪いのため、産屋敷家の男子は代々病弱でした。耀哉は病のため、顔の上半分は血管が浮き出て、痣のように色が変わり膨れ上がっています。

 身体は虚弱ですが、耀哉は他人を思いやり導く性格でした。柱の多くも耀哉に救われています。例えば、音柱の宇髄天元(うずい・てんげん)は、耀哉が天元の苦しみを理解した上で「それでも戦ってくれるんだね。ありがとう」と言葉をかけてくれたおかげで心が楽になっています。

 また、岩柱・悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい)が子供を殺したという無実の罪で投獄されたのを助け、「人殺しではない」と断言したのも耀哉でした。

 多くの人から慕われる耀哉は、公平さを重んじる性格でもあります。禰豆子が鬼にもかかわらず、人を食べないかどうかきちんと見定めた上で鬼殺隊に入ることを認めました。

産屋敷耀哉はどれくらい強い?

 人をリラックスさせる声や神がかった勘を持つ産屋敷耀哉ですが、強さはどれくらいなのでしょうか。

 風柱・不死川実弥(しなずがわ・さねみ)は柱になったばかりの頃、耀哉本人に直接「武術もなにもやったことがないだろう」といっています。それは仲間の粂野匡近(くめの・まさちか)を失い、自暴自棄になっていたことと、自分だけ安全な場所から指示を出す耀哉が気に入らなかったことのふたつが原因でした。

 実弥から罵られた耀哉は、静かに「ごめんね」と謝っています。

「刀は振ってみたけれど すぐに脈が狂ってしまって 十回もできなかった」

 産屋敷一族はもともと呪いで病弱なため、いくら努力をしても無理だったのでしょう。それでも、耀哉は実弥に「自分も同じ捨て駒だ」と説き、「柱として人の命を守って欲しい」と頼みます。

 その上で亡くなった匡近が「実弥に生きていて欲しかった」と遺書を残したと告げました。それを聞いた実弥は、隊員全てを記憶している耀哉が隊員を捨て駒とは思っていないと悟ったのです。

『鬼滅の刃』産屋敷耀哉と4人の柱たちの絆 “お館様ラブ&リスペクト”のきっかけ

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産屋敷耀哉の声優

 アニメ『鬼滅の刃』で産屋敷耀哉を演じる声優・森川智之(もりかわ・としゆき)さんは、神奈川県で1967年1月26日に生まれます。勝田声優学院に入学し、声優の三石琴乃さんや高木渉さんと同じ5期生として卒業しました。

 デビューは外国人向けの日本語教材のナレーション。その後、アニメ『宇宙の騎士テッカマンブレード』のDボゥイ兼テッカマンブレード役で注目されました。初の主人公役でもありますが、作中で叫んだ必殺技名「ボルテッカ」の声があまりにも大きく、マイクを壊してしまった伝説で知られています。

 代表作としてはアニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』の4代目波風ミナト役、『銀魂』の佐々木異三郎役。ゲームでは『DISSIDIA FINAL FANTASY』でのセフィロス役や「戦国BASARA」シリーズの片倉小十郎役が知られています。

 吹き替えでも活躍しており、トム・クルーズやキアヌ・リーブス、ユアン・マクレガーといった俳優の声を担当。声優事務所アクセルワンを2011年に設立し、代表取締役となりました。2016年からは、故・藤原啓治さんが演じていた『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし役の代役を務めています。

産屋敷耀哉と鬼舞辻無惨の因縁

 産屋敷家が鬼殺隊の当主を務めている理由は、鬼舞辻無惨の存在を理由とする呪いのためです。無惨は産屋敷家の血縁だったのです。一族から鬼を生んでしまったせいで、産屋敷家の子供たちは生まれてすぐに死んでしまいました。

 一族が滅びそうになった時、神主から、「一族を守るには鬼を倒す努力をすればいい」と助言されます。それから産屋敷家の人々は鬼と戦ってきました。代々神職の家から結婚相手を選び、子供がすぐ死ぬことはなくなりましたが、それでも30歳まで生き伸びた産屋敷家の一族はいなかったといいます。

 耀哉も23歳で、医者からあと数日と生きられないと告げられます。しかしそれから半年も生き、産屋敷邸に侵入した無惨との対面を果たします。不思議なことに、耀哉と無惨は、鏡あわせのようにそっくりでした。

 自分の命がもう残り少ないと悟った耀哉は、最後の賭けに出ます。

産屋敷耀哉の子供たち

 産屋敷耀哉は、13歳で神籬(ひもろぎ)あまねと結婚しています。当時あまねは17歳でしたが、耀哉からの「貴女が嫌なら私からこの話は断ります」という自分を思いやってくれる言葉で結婚を決めました。産屋敷家は鬼を出した呪いから、神職から結婚相手を選ぶようになります。あまねも代々神職の家系で、予知夢を見ることができます。

 産屋敷夫妻の間には、5つ子が生まれました。女の子は4人で、名前は「ひなき」「にちか」「くいな」「かなた」。男の子がひとりで「輝利哉(きりや)」です。柱合会議で耀哉の手を引いていたのはひなきとにちかです。ちなみに、炭治郎が受けた最終選別で登場した案内役の黒髪の子供が輝利哉です。産屋敷家の男子は無事に育つよう、幼少期は女の子の服装をしています。

産屋敷耀哉が成し遂げたこと

 産屋敷耀哉は鬼殺隊の当主として、優れたカリスマ性と優しさで全員を導きました。刀を振ることもほとんどできませんが、人の心を繋ぎました。実際に戦えなくても、強くなくても、目的を達成できるあり方を示してくれた人物です。

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※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記

(マグミクス編集部)

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