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『鬼滅の刃』時透有一郎が遺した名言 鬼が引き裂いた兄弟の絆

吾峠呼世晴先生による漫画(マンガ)『鬼滅の刃(きめつのやいば)』(ジャンプコミックス/集英社)に登場する、時透有一郎(ときとう・ゆういちろう)について解説します。

『鬼滅の刃』時透有一郎とは?

『鬼滅の刃』に登場するキャラクター、時透有一郎(CV:河西健吾)は、霞柱・時透無一郎(ときとう・むいちろう)の双子の兄です。作品本編では、すでに故人となっています。

 有一郎と無一郎の父親(CV:杉山紀彰)は木を切る仕事をする、杣人(そまびと)でした。炭治郎と同じ、赤い瞳の持ち主でした。

 嵐の日、母親(CV:沼倉愛美)は風邪をこじらせて肺炎になり、亡くなってしまいます。妻のために薬草を取りに行った父親も、崖から落ちて亡くなりました。時透兄弟がまだ10歳の時でした。

 その後、兄弟はふたりで暮らし始めます。

「情けは人のためならず 誰かのために何かしてもろくなことにならない」

 有一郎は亡くなった父親について、冷たく語ります。肺炎になった状態で、薬草ごときで治るはずもなく、「馬鹿の極みだね」とまで言い放ったのです。

「嵐の中を外に出なけりゃ死んだのは母さん一人で済んだのに」

 兄の言葉に、無一郎は「そんな言い方するなよ!! あんまりだよ!!」と言い返しますが、有一郎は涙ぐむ弟に厳しい表情を向けます。

「無一郎の無は”無能”の”無” こんな会話意味が無い 結局過去は変わらない」
「無一郎の無は”無意味”の”無”」

 無一郎は、有一郎に嫌われていると思っていました。

鬼殺隊に誘われる時透有一郎・無一郎兄弟

 春頃、有一郎と無一郎兄弟のもとにお館様・産屋敷耀哉の妻である産屋敷あまねが訪ねてきます。あまねは、ふたりが「始まりの呼吸」の剣士の子孫であると告げ、鬼殺隊に誘います。しかし、有一郎は暴言を吐いてあまねを追い返しました。

「ねぇ剣士になろうよ 鬼に苦しめられてる人たちを助けてあげようよ」と無邪気に言う無一郎に、有一郎は怒ります。

「お前に何ができるって言うんだよ」
「人を助けるなんてことはな 選ばれた人間にしかできないんだ 先祖が剣士だったからって子供の俺たちに何ができる?」
「俺たちにできること 犬死にと無駄死にだよ」

 有一郎は、無一郎を「楽観的すぎる」と責めます。具合が悪いのに無理をして体を壊した母親も、嵐の中で薬草を採りに行った父親も、有一郎が止めたにも関わらず、命を落としたのです。

 その後、ふたりは口を利かなくなり、やってくるあまねを、有一郎は追い返し続けました。

時透有一郎の死 名言「無一郎の”無”は」

 夏になり、戸を開けて寝ていた時透兄弟を鬼が襲います。有一郎を襲った鬼は、「いてもいなくても変わらないようなつまらねぇ命なんだからよ」と言い、無一郎は激しい怒りの衝動のまま、我を忘れて鬼に反撃していました。

 無一郎が気付くと鬼は死にかけていて、朝日が昇るとともに塵になって消えました。

 傷ついた体を引きずって、有一郎のもとに向かった無一郎は、兄の最期の言葉を聞きます。

「どうか…弟だけは…助けてください… 弟は…俺と…違う…心の優しい……子です…
人の…役に…立ちたいと…いうのを…俺が…邪魔した…」
「わかって…いたんだ…本当は……無一郎の…無は……”無限”の”無”なんだ」

 有一郎は、無一郎は誰かのために無限の力が出せる選ばれた人間だとわかっていました。ですが、神様も仏様も守ってはくれません。有一郎は、自分が無一郎を守ろうとしていたのです。しかし有一郎は暮らしに精一杯で余裕がなく、無一郎に優しくしてやることができませんでした。

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(マグミクス編集部)

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