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『鬼滅の刃』継国縁壱は最強チート剣士、無惨を追い詰めた過去「ありがとう」の笑顔

吾峠呼世晴先生による漫画(マンガ)『鬼滅の刃(きめつのやいば)』(ジャンプコミックス/集英社)に登場する、継国縁壱(つぎくに・よりいち)について解説します。戦国時代に生きた、「始まりの呼吸」と呼ばれる「日の呼吸」を使う鬼狩りの剣士です。のちに炭治郎に受け継がれる耳飾りを付けています。※本記事は未アニメ化の重大なネタバレを含みます。

  • ネタばれ注意

『鬼滅の刃』継国縁壱とは?

『鬼滅の刃』に登場するキャラクター、継国縁壱(CV:井上和彦)は戦国時代に生きた人物です。鬼狩りと呼ばれる、鬼殺隊の前身となる組織で剣士として戦っていました。

 耳には、特徴的な耳飾りを付けています。これはのちに竈門家に伝えられ、炭治郎が受け継いだものです。また、「始まりの呼吸」と呼ばれる「日の呼吸」の使い手で、作中では「始まりの呼吸の剣士」「耳飾りの剣士」などと呼ばれます。

継国縁壱の幼少期

 縁壱は双子の弟として生まれます。兄は継国巌勝(つぎくに・みちかつ)。縁壱が生まれた時代、双子は跡継ぎの問題から不吉とされていました。また、生まれつき痣(あざ)があったことから縁壱は殺されそうになりますが、母の朱乃(あけの)が激怒。10歳になったら寺に出家することを条件に生かされることになります。

 しかし、兄の巌勝とは違い、縁壱は狭い部屋で粗末な着物を着せられて育ちます。また、母離れができないのか、左側にぴったりと寄り添う様子がよく見られました。まったく口をきかないため耳が聞こえないと思われた縁壱に、母親は太陽の神に祈った耳飾りを与えます。弟を巌勝は憐れみ、父親に殴られても気にかけ、部屋に遊びに行って手作りの笛を贈りました。

 縁壱は7歳になったとき、突然話し始めます。剣の稽古をしている巌勝にこう尋ねます。

「兄上の夢はこの国で一番強い侍になることですか?」

 自分も侍になりたいという縁壱。その後、巌勝を指導していた父親の輩下と試しに手合わせしてみると、縁壱は瞬きする間に4発打ち込み相手を失神させます。

 縁壱は、生き物の体が透けて見え、相手の動きに即応できる身体能力を持っていたのです。それまで縁壱の境遇を哀れんでいた巌勝でしたが、弟は自分よりも遥かに優れたものを持っていました。

 父親の輩下が縁壱の実力を報告すれば、双子の立場が逆転する可能性もありました。しかし夜、縁壱が巌勝の部屋に現れ、母が亡くなったことを告げます。そして自分は寺に行くというのです。巌勝が与えた笛をうれしそうに持ち、縁壱は出ていってしまいます。

 母の日記から巌勝は、縁壱は自分が跡取りとなることに気付き、予定より早く家を出たことを知ります。さらに、母にしがみついていた縁壱は、甘えていたのではなく、半身が不自由な母を支えていたのです。

継国縁壱とうた

 家を出た縁壱は、夜通し走り続けても疲れることがありませんでした。そして家族を流行り病で失った少女・うたと出会い、一緒に暮らし始めます。

 縁壱はうたと出会ったことで、ほかの人間には体が透き通って見えていないことを初めて知ったのです。縁壱の疎外感は、うたによって埋められました。

 10年後、ふたりは結婚。うたの臨月が近づき、産婆を呼びに行った縁壱は、途中で心臓が悪い老人の手助けをします。山3つ向こうまで背負って送り届け、夜に戻った縁壱が見たのは、鬼に腹の子供ともども殺されたうたの姿でした。

 鬼を追ってきた当時の煉獄家の人間がやってくるまで、縁壱は10日ほど妻と子供の亡骸を抱いていました。

『鬼滅の刃』に登場する4組の“夫婦” さまざまな絆の形が涙腺を刺激する…

人が人を愛する気持ちは今も昔も変わりません。『鬼滅の刃』にも何組もの夫婦が登場し、さまざまな絆の形を見せます。お互いの笑顔を糧に生きる夫婦、目的のために共に戦う夫婦、ささやかな幸せを求めた夫婦など、彼らのつむぐ愛の物語をご紹介します。

継国縁壱の最強チートすぎる能力

 継国家を出たあと寺には行っておらず、消息を絶っていた縁壱は、成長後再び巌勝の前に現れます。巌勝は結婚して子供に恵まれ、平凡な日々を送っていました。しかしある夜、野営していたところを鬼に襲われ、剣士となった縁壱に救われます。到着が遅れて、兄の配下を死なせてしまったことを詫びる縁壱は、強く、さらに非の打ち所がない人格者となっていました。縁壱の剣技を学びたいと考えた巌勝は、妻子を捨てて鬼狩りに入ります。

 鬼狩りの組織で、縁壱は自ら編み出した「日の呼吸」を仲間たちに教えます。ですが、誰も同じようにはできません。そのため、縁壱はそれぞれが得意な呼吸法に合わせて指導し、派生の呼吸が生まれていきます。縁壱の呼吸法を身に着けた鬼狩りたちは能力を高め、次々と鬼を倒していきました。

 そして、巌勝ら剣士たちは縁壱と同じように痣を出現させます。しかし、25歳にならないうちに痣を出したものは倒れていきました。痣は命の前借りだったのです。

『鬼滅の刃』日の呼吸(ヒノカミ神楽)12の型一覧 「13個めの型」とは?

吾峠呼世晴先生による漫画(マンガ)『鬼滅の刃』(ジャンプコミックス/集英社)に登場する、日の呼吸(ひのこきゅう)について解説。「耳飾りの剣士」こと継国縁壱が使っていたもので「始まりの呼吸」とも呼ばれ、「ヒノカミ神楽」として竈門家に伝えられてきました。

『鬼滅の刃』耳飾りの剣士・最強すぎるエピソード 無惨さえ「化け物」とビビる

『鬼滅の刃』に登場するキャラクターのなかで最強と言われる継国縁壱(つぎくに・よりいち)。「水の呼吸」や「炎の呼吸」といった鬼殺隊に必須の技術・呼吸法を編み出した者であり、作中でも「鬼狩りの長き歴史で最も優れた剣士」と評価されています。そんな縁壱の人間離れしたエピソードをご紹介します。

鬼舞辻無惨が「化け物」と恐れる

 縁壱は鬼舞辻無惨と、無惨が連れた娘(珠世)に遭遇。体が透き通って見える能力で、無惨に心臓が7つ、脳が5つあるのを見た瞬間、縁壱は日の呼吸の「13個めの型」である技を完成させます。

 縁壱の攻撃を受け、頸が落ちないように支える無惨。「命を何だと思っている?」という縁壱の問いには答えず、無惨は肉体を弾けさせます。1800に散らばった肉片のうち、縁壱は1500と少しを斬ります。しかし、残りの肉片は逃してしまいました。残された娘は「頸の弱点を克服していたなんて…」と髪をかきむしります。

「死ねば良かったのに!! 生き汚い男!! 鬼舞辻無惨…!!」

 無惨が弱ったせいで、支配から解放された鬼・珠世に、縁壱は無惨を倒す手助けを頼みます。そして駆けつけた仲間から、縁壱は兄が鬼になったことを知らされます。さらに、無惨を倒せなかったこと、珠世を逃したこと、兄が鬼になったことの責任を追求され、鬼狩りを追放されてしまいます。

 縁壱に死の間際まで追い詰められた無惨は、「化け物」と恐れ、その後姿を隠してしまいます。縁壱の死後に再び動き始めた無惨は、鬼となった巌勝(黒死牟)とともに日の呼吸を知る剣士を皆殺しにするほど、脅威と考えたのです。

継国縁壱が炭治郎の祖先に送った言葉「ありがとう」

 鬼狩りを追われた縁壱が訪れたのは、炭治郎の祖先である炭吉の家でした。以前、縁壱は鬼に襲われていた炭吉とすやこ夫妻を救い、すやこの臨月に産婆を呼びにいったという縁があったのです。

「私は恐らく鬼舞辻無惨を倒す為に特別強く造られて生まれて来たのだと思う」
「私がしくじったせいでこれからもまた多くの人の命が奪われる」
「心苦しい」

 縁壱の苦しい心中を聞き、何も言えないでいる炭吉でしたが、娘のすみれがだっこをせがみます。抱き上げると笑うすみれを見て、縁壱は涙を流します。帰ってきた妻・すやこはすみれを抱きしめた縁壱を見て、「そんなに泣いてどうしたの? きっと大丈夫よぉ」と笑います。

 すやこがせがみ、縁壱は日の呼吸の型を披露します。炭吉はその姿を瞳に焼き付けます。去り際、縁壱は耳飾りを炭吉に託しました。

「縁壱さん 後に繋ぎます 貴方に守られた命で…俺たちが」
「この耳飾りも日の呼吸も後世に伝える 約束します!!」

 遠ざかる後ろ姿に炭吉が叫ぶと、縁壱は「ありがとう」と笑顔を見せたのです。

継国縁壱の最期「お労しや兄上」

 赤い月の夜、黒死牟は最後に会ってから60数年経つ縁壱の老いさらばえた姿を見ます。鬼になった黒死牟とは違い、80歳を超えている弟。痣を持つ剣士であった弟は、25歳を超えても生きていました。縁壱は涙を流しながら言います。

「お労しや兄上」

 老人となった縁壱は、若い頃と変わらぬ剣技で黒死牟を斬ります。次の一撃で頸を落とされると感じた黒死牟でしたが、縁壱は寿命で事切れていました。寿命で勝ち逃げされたことに憎しみをおぼえる黒死牟。ですが縁壱は最期まで兄を思い、幼少期に渡した笛を持っていました。

(マグミクス編集部)

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