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『鬼滅の刃』桑島慈悟郎 善逸の「爺ちゃん」は元最強の鳴柱

吾峠呼世晴先生による漫画(マンガ)『鬼滅の刃(きめつのやいば)』(ジャンプコミックス/集英社)に登場する、桑島慈悟郎(くわじま・じごろう)について解説します。善逸が「爺ちゃん」と呼ぶ育手で、雷の呼吸の使い手。元は鬼殺隊最強と呼ばれた鳴柱でした。※本記事は未アニメ化の重大なネタバレを含みます。

  • ネタばれ注意

『鬼滅の刃』桑島慈悟郎とは?

 善逸が「爺ちゃん」と呼ぶ桑島慈悟郎は、鬼殺隊の育手(そだて)で元「鳴柱(なりばしら)」です。「鳴柱」とは、「雷の呼吸」の使い手が柱になった時に使われる名称。桑島慈悟郎は鬼殺隊のなかでも特に強い隊士だったようで、弟子の獪岳(かいがく)は、師匠を次のように評しています。

「先生は "柱"だったんだ 鬼殺隊最強の称号を貰った人なんだよ」

 慈悟郎は35歳の時に鬼との戦いで片足を失い、義足となって「鳴柱」を引退しました。本編登場時には、小柄な体に八の字のひげが印象的な老人となっています。また、顔の左側に大きな傷があります。

 慈悟郎が育手として厳しい指導をした獪岳と善逸は最終選別を経て、鬼殺隊の一員となりました。

桑島慈悟郎の声優

 アニメ『鬼滅の刃』で桑島慈悟郎の声を担当するのは千葉繁(ちば・しげる)さんです。1954年2月4日、熊本県菊池市に生まれました。湯浅(剣睦会)アクション企画でスタントマンや、日活で俳優として活躍。声優としては、アニメ「北斗の拳」のナレーションで知られるようになります。

 熱い早口ながら聞き取りやすい叫びで知られ、代表作としてアニメ『うる星やつら』のメガネ役、「機動警察パトレイバー」シリーズのシバシゲオ役があります。後者は「THE NEXT GENERATION パトレイバー」として実写映画化された時にも、シバシゲオ役として出演しています。近年では『呪術廻戦』で漏瑚役としても活躍中です。

 ナレーターとしてはバラエティ番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』や『世界の果てまでイッテQ!謎とき冒険バラエティー』でも知られています。

桑島慈悟郎とふたりの弟子

 桑島慈悟郎は、本編では善逸と獪岳のふたりの弟子をとっています。善逸は「雷の呼吸」の「壱ノ型」しか使えませんが、逆に獪岳は「壱ノ型」が使えませんでした。

 先に獪岳が弟子になっているため、善逸にとっては兄弟子にあたります。同じ師についていますが、獪岳は善逸が大嫌いでした。那田蜘蛛山で善逸の回想に現れた獪岳は、「消えろよ」と、食べていた桃を投げつけ罵りました。獪岳は才能もあり努力もしていましたが、それでも満足できない性格でした。慈悟郎や善逸に愛されても足りなかったのです。慈悟郎は獪岳も善逸も等しく大事に育てていたのですが、獪岳はふたりと同じ柄の着物をもらっても着ることはありませんでした。

 一方で、捨て子だった善逸は、女にだまされて作った借金の返済を肩代わりしてもらい、弟子となりました。弱気で逃げ癖のある性格の善逸は慈悟郎を手こずらせましたが、次第に信頼関係が生まれて、「爺ちゃん」と呼び慕うようになります。

 慈悟郎は獪岳と善逸のふたりを「雷の呼吸」の後継者に指名しました。弟子同士助け合ってくれればいいと考えたのかもしれません。しかし、獪岳は不満でした。自分だけが指名されるべきだと考えていたのです。このすれ違いが、後に悲劇を生みます。

善逸が受け取った手紙

 柱稽古で岩柱・悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい)の指導を受けた時、善逸は説明を聞いただけで気絶。いつものように泣き言をいいつつ参加していましたが、スズメの「チュン太郎」こと「うこぎ」から運ばれてきた手紙を見て一変。口数も減り、炭治郎に心配されるようになります。

 どういう事情があったかは話さず、善逸は炭治郎に礼だけを言いました。

「お前は本当に いい奴だよな
ありがとう だけど これは絶対に 俺がやらなきゃ 駄目なんだ」

 善逸のすべきことは、無限城で獪岳と出会った時に分かります。獪岳は、上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)に遭遇し、殺される恐怖から鬼になることを選んだのです。

 善逸はなぜ鬼になったと獪岳を問い詰めます。

「アンタが鬼になったせいで 爺ちゃんは腹切って死んだ!!!

爺ちゃんは一人で腹を切ったんだ
介錯もつけずに

腹を切った時 誰かに首を落として貰えなきゃ
長い時間苦しんで死ぬことになる
爺ちゃんは自分で喉も心臓も突かず死んだ

雷の呼吸の使い手から鬼を出したからだぞ!!」

 善逸が受け取った手紙の内容は、獪岳が鬼になったせいで慈悟郎が切腹したことを知らせるものでした。責任を感じ、長く苦しんで死んだ慈悟郎の最期に対して、獪岳は吐き捨てます。

「爺(じじい)が苦しんで死んだなら清々するぜ
あれだけ俺が尽くしてやったのに俺を後継にせず
テメェみたいなカスと共同で後継だと抜かしやがったクソ爺だ」

 善逸にとって獪岳は尊敬していた兄弟子でしたが、「雷の呼吸 漆ノ型 火雷神(しちのかた ほのいかづちのかみ)」でその頚を落としました。

桑島慈悟郎の名言

 育手としての慈悟郎は厳しかったものの、善逸への愛情は本物でした。

「いいんだ 善逸 お前はそれでいい」

 修行のつらさから、木の上に逃げた善逸。そこに雷が落ちて髪の色が変わってしまいます。倒れた善逸に、慈悟郎は次のように言います。

「いいんだ 善逸
お前はそれでいい 一つできれば万々歳だ
一つのことしかできないならそれを極め抜け
極限の極限まで磨け」

 善逸は捨て子です。誰にも期待されず愛されなかった彼にとって、「お前はそれでいい」と肯定してもらえるのは何よりうれしいことだったでしょう。

「誰よりも強靱な刃になれ」

 続いて、慈悟郎は善逸に理想を語っています。

「善逸 極めろ
泣いていい 逃げてもいい
ただ 諦めるな
信じるんだ 地獄のような鍛錬に耐えた日々を
お前は必ず報われる
極限まで叩き上げ
誰よりも強靱な刃になれ!!」

 善逸自身は、「誰からも期待されない」と言っています。しかし、慈悟郎は違いました。善逸がへたれでも、弱虫でもいい。それでも自分のできることを精一杯やれば素晴らしい人間になれると励ましてくれました。

「お前は必ず 報われる」そう言われた善逸の喜びは計り知れません。

「一つのことを極めろ」

 善逸は「雷の呼吸」の6つもある型のうち「壱ノ型 霹靂一閃(いちのかた へきれきいっせん)」ひとつしか使えません。それでも慈悟郎は、彼に「一つのことを極めろ」と言ってくれました。

 慈悟郎の言葉を思い出した善逸は、「雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃・六連(いちのかた へきれきいっせん ろくれん)」を放ち、兄蜘蛛を倒しました。

「お前は儂の 誇りじゃ」

 上弦の陸と戦い、瀕死になった善逸の走馬灯に現れた、亡き後の慈悟郎の言葉です。善逸はこの時、三途の川らしきところに立っていました。

 善逸はひとつの技を極めただけでなく、自分で考えて新しい技を作り出しました。他のことができなければ、自分のできることを見つけるという発想に至った善逸は、師の慈悟郎にとって誇らしかったことでしょう。

 満身創痍で無惨と戦った時にも「じいちゃん 頼む じいちゃん じいちゃん じいちゃん!! 俺の背中を蹴っ飛ばしてくれ!!!」と師匠を呼んでいます。

血のつながりはなくても…善逸を育てた「爺ちゃん」

 桑島慈悟郎は、「雷の呼吸」を極めた柱として活躍後、引退して善逸や獪岳を育てました。厳しくも愛情をもって接したものの、獪岳には裏切られてしまうことになってしまいました。しかしもうひとりの弟子、善逸は新しい技を生み出し、無惨討伐に貢献する素晴らしい剣士に成長しました。きっと慈悟郎の思い出は善逸のなかに残り続けることでしょう。

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(マグミクス編集部)

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