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『鬼滅の刃』上弦の肆は半天狗から「鳴女」に 過去はイケメンだった?

上弦の肆・半天狗(はんてんぐ)は、上弦の伍・玉壺(ぎょっこ)とともに鬼殺隊の刀鍛冶の里を襲った鬼です。喜怒哀楽の感情を具現化した姿に分裂し、炭治郎たちを苦しめます。人間時代は盲目のふりをして強盗や殺人を働き、お奉行様に打ち首を言いわたされた過去があります。半天狗が倒された後、鳴女(なきめ)が新たな上弦の肆になります。

上弦の肆は半天狗亡き後、鳴女に代わる

 鬼のなかでも、能力が高く、鬼舞辻無惨に認められた「十二鬼月」の「上弦」の鬼のなかで、4番めの位が「上弦の肆」です。

「刀鍛冶の里編」で半天狗が倒され、上弦の肆の座が空席となります。後任は、鬼舞辻無惨のお気に入りの鬼である、琵琶を持った鬼、鳴女(CV:井上麻里奈)です。

 鳴女は「無限城」を作る能力を持ちます。TVアニメ「柱稽古編」冒頭で、風柱・不死川実弥と蛇柱・伊黒小芭内が鬼を追い詰めた際、無限城を目にします。

 また、鳴女は鬼殺隊の偵察任務も行っているようです。TVアニメ「柱稽古編」第3話で、夜間の巡回警備をしている隊士の後ろを追う、「肆」という文字が浮かび上がる鬼の目玉が登場しました。第4話では、夜間に稽古をつけている風柱・不死川実弥と蛇柱・伊黒小芭内の元へ向かう、霞柱・時透無一郎の背後に、大量の「肆」の目玉が出現していました。

『鬼滅の刃』新上弦の肆・鳴女(なきめ)とは? 無限城を作り出す、無惨のお気に入り

吾峠呼世晴先生による漫画(マンガ)『鬼滅の刃(きめつのやいば)』(ジャンプコミックス/集英社)に登場する琵琶鬼、鳴女(なきめ)について解説します。初登場は「無惨様のパワハラ会議」。「刀鍛冶の里編」の後、空席となった上弦の肆に昇格します。

刀鍛冶の里を襲った上弦の肆・半天狗とは

『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』ビジュアル (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 上弦の肆・半天狗(CV:古川登志夫)は87歳くらいの見た目で、涙を流し、怯えた様子の鬼です。しかしそれは、周囲の者に自分が無害な老人であると思わせるため。自己愛が強く虚言癖があり、人間だった頃からいつも自分が被害者だと考えていました。同じ上弦の鬼で上弦の伍・玉壺が情報をつかんだ、鬼殺隊士の日輪刀を打つ刀鍛冶たちの住む里を、鬼舞辻無惨の命令で襲います。刀鍛冶の里で応戦したのは、炭治郎と禰豆子、霞柱・時透無一郎(ときとう・むいちろう)、不死川玄弥(しなずがわ・げんや)、そして後から駆けつけた恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)の5人でした。

 半天狗は斬られると分裂する能力を持ちます。分裂した半天狗たちの頸は急所ではなく、本体を倒さない限り死にません。追い詰められるほどに強力になる半天狗の能力が、炭治郎たちを苦しめます。

半天狗の強すぎる血鬼術

 半天狗は窮地に追い込まれると、身を守るために血鬼術で分裂していきます。自分の感情を血鬼術で具現化させるのです。分裂したそれぞれの体が違う能力を持ちます。また、人間時代、若い頃の半天狗の姿をしています。

積怒(CV:梅原裕一郎)

 炭治郎に頚を落とされた半天狗から分裂したのが、「怒」の感情の積怒(せきど)です。手に持った錫杖は、広範囲に雷の攻撃を放ちます。

可楽(CV:石川界人)

 積怒とともに本体から分裂したのが、「楽」の感情の可楽(からく)です。可楽は強い風を起こすうちわを持ち、無一郎を吹き飛ばしました。無一郎は飛ばされた先で玉壺と遭遇することになり、半天狗との戦いから離脱します。このうちわは可楽以外の者も使えるようで、戦いのなかで禰豆子が持ち、可楽自身を吹き飛ばした場面もあります。

哀絶(CV:斉藤壮馬)

 玄弥の銃で頸を落とされた積怒から「哀」の感情の哀絶(あいぜつ)が出現します。哀絶は十文字槍を使い、突きを五回繰り出す技「激涙刺突(げきるいしとつ)」で炭治郎を襲いました。

空喜(CV:武内駿輔)

 玄弥の銃撃と斬撃で落とされた可楽の頭から分裂したのが「喜」の感情の空喜(うろぎ)です。空喜は高速で飛べる翼を持ち、口から衝撃波を吐きます。斬ると分裂し、多方向からの衝撃波が襲います。また、爪は金剛石(ダイヤモンド)より硬く鋭い攻撃を放ちます。

5体めの半天狗

 炭治郎、玄弥で積怒、可楽、哀絶、空喜、4体の頸を落としても半天狗は倒れません。炭治郎は匂いで、本体である5体めの存在を見つけます。怯えながら逃げる半天狗の本体は、玄弥が「ちっさ!!!」と驚く小ささ。しかし、小さくても本体の頸は固く、玄弥の日輪刀は折れてしまいます。

憎珀天(CV:山寺宏一)

 禰豆子の血で赫刀(かくとう)となった炭治郎の日輪刀が本体の頸を斬ろうとした瞬間、背後から憎珀天(ぞうはくてん)が襲いかかります。積怒が両手を上げ、可楽と空喜を吸収。さらに抗議した哀絶も取り込んで憎珀天に変化したのです。

 憎珀天は積怒たちよりさらに若く、子供のような姿。雷神のように背中に「憎」と書かれた太鼓を背負っています。さらに木を龍の姿に変化させて攻撃し、喜怒哀楽全ての力も使うことができる強敵となります。

 憎珀天の攻撃から、炭治郎を救ったのは間一髪で駆けつけた蜜璃。蜜璃が単身で憎珀天と戦い、炭治郎、玄弥、禰豆子で本体を追います。

「恨」

 半天狗の本体を斬ったはずの炭治郎。しかし、半天狗の舌に刻まれた文字「恨」に変化していました。本体は「恨」の心臓に隠れ、なおも逃げようとします。朝日を受けて焼かれながらも、蜜璃との戦いで憎珀天が力を使いすぎたため、人を喰おうと里の人間を襲います。

半天狗の若い頃はイケメンだった?

 半天狗の分裂した姿は、彼の若かった頃の姿とされています。ちなみに、喜怒哀楽の鬼は整った顔立ち。切れ長の眼、癖のある黒髪が特徴です。

 半天狗が若かった頃は「イケメン」だったのかもしれません。何度か結婚経験もあるので、女性の目を引く存在だったのではないでしょうか。しかし、結婚をしても妻子を殺してしまうという行為を繰り返していました。

半天狗の過去 人気の「お奉行様」

 炭治郎が本体の頸を斬った瞬間、半天狗は走馬灯を見ます。

 半天狗は幼い頃から嘘つきで、自分の都合のいいように解釈したり事実をねじまげたりする性格でした。本人にしてみれば、自分はいつも悪い周りに追い詰められた被害者なのです。

 嘘をつき、名前や年齢も偽ってばかりいた半天狗は、自分の“本当のこと”を忘れてしまうほどの人間でした。ある時ガラの悪い男にぶつかり、因縁をつけられましたが、眼目が見えないと嘘をついたことで見逃してもらうという経験をします。盲目であると周りが優しくしてくれると知った半天狗。目が見えないふりをし続け、泥棒を始めたのもこの頃です。

 同じ盲目の仲間から、盗みをとがめられた半天狗は「この手が悪いのだ」と己の罪を認めず、自分の手のせいにします。さらに訴え出ようとした仲間を殺してしまいました。

 ついに捕まった半天狗は、奉行から裁かれます。他の町でも窃盗と殺人をしていたことを問い詰められますが、目が見えないから無理だと半天狗は言い訳します。すると奉行はこう論破したのです。

「貴様は目が見えているだろう 以前この白洲の場に来た按摩は私が話し始めるまで塀の方を向いていたぞ」

 半天狗は手を切り落とされ、打ち首を待つ身となります。打ち首になる前日、無惨に鬼にされたのです。

 鬼になった半天狗は奉行を襲います。しかし、死の間際にも、奉行は半天狗の罪を追及し続けました。

「貴様が何と言い逃れようと事実は変わらぬ 口封じした所で無駄だ その薄汚い命をもって罪を償う時が必ず来る」

 その言葉通り、半天狗は鬼となったあと、刀鍛冶の里で炭治郎に両腕を落とされたのです。

 捕らえられ、奉行の裁きを受け、鬼になる……半天狗の見た走馬灯は見開き2ページを使って描かれました。印象深い「お奉行様」の演出がファンの間で人気となり、このページを模したコラ画像が多数作られるなど話題になりました。

半天狗と玄弥との意外なつながり

 不死川玄弥は、鬼を喰って自分に取りこめる特殊能力を持ちます。半天狗と戦った際も、血鬼術で現れた木を喰らいました。後に上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)に対し、半天狗から得た能力で木を生やして足止めしています。

 柱3人と玄弥の4人でも苦戦した黒死牟戦。ひとりでも欠けていれば勝てなかった状況でした。玄弥と半天狗との戦いは、重要な伏線だったのです。

半天狗に関連するキャラクター

  • 鬼舞辻無惨:鬼の祖
  • 玉壺:共に刀鍛冶の里を襲撃した上弦の鬼
  • 鳴女:半天狗亡き後、上弦の肆となる

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記

(マグミクス編集部)

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