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『鬼滅の刃』粂野匡近、風柱・不死川実弥の兄弟子 遺書に書かれていたのは

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『鬼滅の刃』粂野匡近とは?

『鬼滅の刃』に登場するキャラクター、粂野匡近は鬼殺隊士のひとりです。作品本編ではすでに故人となっています。

 匡近は原作漫画第19巻に収録されている第168話「百世不磨」で、風柱・不死川実弥の回想シーンに登場します。上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)との戦いのさなか、実弥は鬼狩りを始めた頃のことを思い返していました。

 実弥は鬼を酔わせる稀血(まれち)の持ち主です。鬼殺隊の存在を知らなかった実弥は、自己流の戦いかたで鬼を日光で焼き殺し、倒していました。生き延びられたのは、稀血のおかげでした。無茶な戦いかたをしていた実弥を救ったのが、同じ鬼を追っていた匡近です。

 匡近は実弥に育手(そだて)を紹介し、ふたりは兄弟弟子となります。鬼殺隊士になってからも、体に傷をつけるな、飯は食ったか、人をにらみつけるような顔をするんじゃない……匡近は実弥に対して何かと兄弟子らしく振る舞います。「柱になったら、すごいモテるぞ」とのんきな様子の匡近をうっとうしく思っていた実弥ですが、やがてかけがえのない友となります。

粂野匡近・不死川実弥と下弦の壱の戦い

 匡近と実弥のエピソードは、小説『鬼滅の刃 風の道しるべ』に記されています。

 風の呼吸の使い手として、鬼と戦う匡近と実弥は、鬼殺隊最高位である「甲(きのえ)」の階級を得ていました。階級が上がり、後輩の世話などで忙しくしていたふたりは、共同任務を命じられ、久しぶりに顔を合わせます。町外れにある屋敷の付近で人が消える事件が発生。すでにほかの鬼殺隊士たちも任務にあたっていますが、隊士のなかにも姿を消した者がいました。甲であるふたりで解決できなければ、柱が動くという厄介な任務です。

下弦の壱・姑獲鳥

 その屋敷に巣食っていたのは、十二鬼月のひとり、下弦の壱・姑獲鳥(うぶめ)でした。姑獲鳥は、親に愛されなかった子、傷つけられた子だけに幻覚を見せて捕らえ、喰っていた鬼です。父親の暴力を受けていた実弥は姑獲鳥に捕らわれますが、匡近が幻を破ります。そして、母親に愛されていた実弥を、姑獲鳥は完全に操ることはできませんでした。

 さらに、負傷した実弥の稀血で酔った姑獲鳥。匡近はとどめを刺そうとしますが、鬼の幻覚で操られた子供をかばったために致命傷を負ってしまったのです。姑獲鳥の頸を落としたのは、実弥でした。

粂野匡近の遺書

 匡近を亡くした実弥ですが、下弦の壱を倒した功績で風柱となります。お館様こと産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)と対面した実弥は、一段高い場所にいることを罵ります。

「いいご身分だなァ おいテメェ 産屋敷様よォ」
「隊員のことなんざァ使い捨ての駒としか思ってねェくせに」

 しかし、お館様はほほえみ、「ごめんね」と詫びます。そして、お館様から匡近の名が出たことに、実弥は驚愕します。

「匡近が死んで間も無いのに呼んでしまってすまなかったね
兄弟のように仲良くしていたから尚更つらかったろう」

 当時の花柱・胡蝶カナエは、お館様が亡くなった隊員の名前と生い立ちを全て記憶していることを実弥に伝えます。

 お館様は、匡近の遺書を実弥に渡します。実弥は、匡近に弟がいたこと、その弟が目の前で鬼に殺されたことを知ります。実弥には明るくお調子者に見えた匡近でしたが、泣いて止める母親を振り切って、鬼を滅する決死の覚悟で鬼殺隊に入隊したのです。そして、亡くなった弟と実弥を重ねて、何かと世話を焼き、兄貴風を吹かせていたことを察します。匡近の遺書には「生き抜いてほしい」という、実弥への思いがつづられていました。それは、実弥が弟・玄弥に抱く思いと同じものでした。

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(マグミクス編集部)

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