ロボ相手でも孔明の罠炸裂!? 良きにしろ悪しにしろ原作改変がすごいロボアニメ3選
アニメが原作を越えようとするのは無謀な試みでしょうか。原作ファンからの批判を恐れず、あえて原作どおりにアニメ化しないことで新境地を切り開こうとした作品を見ていきましょう。
原作通りにつくれば良作になるとは限らない?
原作付きアニメの扱いは大きく2種類に分けられます。ひとつは原作に忠実に作られたもの、もうひとつは原作からエッセンスだけを抽出し、アニメならではの改変を加えたものです。以下、特に大幅な原作改変が加えられ、話題となったロボアニメを3作、見ていきましょう。
●『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』
原作に大幅な改変が加えられたアニメといえば、1992年から1998年にかけて全7話がOVA(オリジナルビデオアニメーション)でリリースされた『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』は外せません。
本作は1967年に横山光輝先生によって『週刊少年サンデー』で連載されていたマンガ『ジャイアントロボ』が原作です。同マンガは1968年にTVドラマ(特撮)化され、そちらも広く知られています。OVA版は「ジャイアントロボ」のデザインが重装甲でマッシブにアレンジされているなど、原作、TVドラマいずれとも全く異なるアレンジが施されていました。
特筆すべきは、いわゆる「スターシステム」によって、横山光輝ワールドのキャラクターが多数、登場している点です。『バビル二世』の主人公「浩一」は敵対組織、BF団の首領「ビッグ・ファイア」として登場しており「三つのしもべ」こと「ロデム」「ロプロス」「ポセイドン」を従えています。
そのBF団は『三国志』の「諸葛孔明」が軍師として指揮を取っており、幹部の「十傑衆」にも横山光輝作品の有名キャラが勢揃いしていました。『水滸伝』から「混世魔王・樊瑞(はんずい)」、『マーズ』からは「衝撃のアルベルト」、その娘は『魔法使いサリー』の「サニー・ザ・マジシャン」といった具合です。
また主人公の「草間大作」が所属する国際警察機構の幹部「九大天王」も十傑衆と同様でした。『水滸伝』の「神行太保・戴宗(たいそう)」、『バビル2世』の「五十嵐所長」が「静かなる中条」として登場し、十傑衆と熱い戦いを繰り広げます。
それぞれが名作の主要キャラクターということもあって、十傑衆や九大天王の存在感は凄まじく、ジャイアントロボが不要なのではないか、と思われるほどの活躍ぶりです。原作マンガとは大きく異なりますが、横山光輝先生のファンなら目が離せなくなることでしょう。もちろんジャイアントロボについて全く予備知識がない人でも熱くなれる作品です。