マグミクス | manga * anime * game

「文字通りカラダ売った?」「イケボでアウトなセリフが」地上波放送が不思議なアニメ

暴力的であったり、濡れ場があるマンガを原作とするアニメは、地上波放送時に光や影によって強い規制が加えられる作品も見られます。しかし、意外にも地上波で「ここまでやる?」と生々しく問題のシーンが描かれる作品もありました。

地上波の限界を攻め過ぎ!

アニメ『来世は他人がいい』キービジュアル (C)小西明日翔・講談社/来世は他人がいい製作委員会
アニメ『来世は他人がいい』キービジュアル (C)小西明日翔・講談社/来世は他人がいい製作委員会

 過激なセリフやシーンが多発するマンガのアニメ化が発表されると、ファンの間では「うれしいけど規制だらけになりかねない」「アニメであのシーンを観たいけど、さすがに無理かも」「倫理観的に問題があるのでは」と、複雑な心境が語られる傾向にあります。

 そんなファンの気持ちとは裏腹に、意外にもそのようなアニメでは地上波でありながらギリギリを攻めるようなシーンが放送されており、驚きの声があがった作品もありました。

●『来世は他人がいい』

 2024年10月より放送されている『来世は他人がいい』は、小西明日翔先生による同題マンガを原作としたアニメです。

 極道の家に生まれた主人公「染井吉乃(CV:上田瞳)」は、祖父から一方的に関東最大の暴力団の総長の孫である「深山霧島(CV:石田彰)」との婚約を決められます。そして婚約を機に大阪から東京へと引っ越した吉乃は、霧島の本性を知ることとなります。

 当初は人当たりが良く、クラスの人気者で吉乃にも優しく接していた霧島でしたが、危険な目に遭いかけた吉乃を助けるために怪しい男を血祭りにあげたうえ、「わがままな女に振り回されるのが最高に好き」というゆがんだ性癖を明らかにします。そのうえ、意外にも常識人である吉乃へ失望し「吉乃の取り柄ってその顔とカラダだろ? それ売って金にしてくれない?」と、デリヘルで金を稼ぐよう提案するのでした。

 冒頭はギャグ要素も強めで、ひょんなことからひとつ屋根の下で男女が生活をする……というラブコメかと思いきや、霧島の本性が明らかになったあたりから「思ってた話と違う」「石田さんのCVもあって霧島が怖すぎる」と、SNSもざわついていました。

 霧島の提案に加え、学校でのいじめをきっかけに心が折れかけた吉乃でしたが、祖父からの「1年かけて自分に惚れさせ、容赦なく捨てて帰ってこい」というアドバイスで一念発起した結果、第1話で片方の腎臓を400万円で売って啖呵を切るという行動に出ます。

 霧島の提案や、吉乃の思い切りの良さに対して「確かに文字通り『カラダを売ってる』けど……」「関西弁での啖呵が迫力あり過ぎる」と次々と巻き起こる過激な展開に、早くも釘付けになった視聴者が続出しているようです。

●『ハッピーシュガーライフ』

 2015年から2019年にかけて「ヤングガンガン」(スクウェア・エニックス)で連載されていたマンガ『ハッピーシュガーライフ』(作:鍵空とみやき)を原作とするアニメも、過激なシーンが多く地上波での放送を懸念する声が多く出ていました。

 一見すると主人公の「松坂さとう(CV:花澤香菜)」が、幼い少女「神戸しお(CV:久野美咲)」と甘くて幸せな生活をおくる物語に思えますが、実際はしおとの生活を守るためにさとうが犯罪行為に及ぶサスペンスです。

 もともとさとうは「愛」を理解できない虚しさから、男遊びを繰り返していました。しかし、しおをの出会いをきっかけに「愛」という感情を考えるようになり、しおを監禁、ふたりきりでの生活を続けるためアルバイトに励んでいきます。

 さとうは自分たちの生活を脅かす存在には残虐な制裁を下しており、しおに手を出そうとしたチンピラの両目をえぐるといった猟奇的な行動などは、視聴者にトラウマを与えました。

 さらにさとうは身近な人間にしおの監禁を知られ、写真を撮られた際には相手の首元を包丁で刺し、放火して遺体を燃やします。画面全体がうっすら赤く染まるなかで刺された人物が徐々に動かなくなる描写には、「リアル過ぎてしんどいし、流血が生々しくてよく地上波でやったなって感じ」と戦々恐々とする意見も見られました。

●『平穏世代の韋駄天達』

 人間とほぼ同じ見た目ながら、生物の思念が集まって生まれた「韋駄天」と魔族、人類が種の存続を懸けたバトルを繰り広げるマンガ『平穏世代の韋駄天達』(原作:天原/作画:クール教信者)を原作とする同題アニメは、フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で2021年に放送されました。

 深夜アニメではあるものの、極彩色の演出で繰り広げる濡れ場やグロテスクなシーンがたびたび登場し、「ここまでエグい表現があるとなかなか人に勧められない」と、度肝を抜かれた視聴者も続出しています。

 また、主人公「ハヤト(CV:朴路美)」をはじめとする韋駄天は痛覚こそあるものの、多大なダメージを喰らっても死にはしないため、仲間の韋駄天が生きたまま解剖されるシーンもありました。

 そのほかにも侵略国家「ゾブル帝国」が韋駄天に対抗するための兵士を増やすべく、兵士から暴行されて妊娠した女性を集めて子供を産ませる描写もあり、「倫理観がおかしい」「地上波でこれは攻め過ぎ」といった意見もSNSで目立っています。

(田中泉)

【画像】え…っ? いやキービジュアルで「ほぼ丸出し」やんけ こちらが「地上波ギリ」すぎたアニメです(3枚)

画像ギャラリー