心抉られる「R指定」実写版 「グロだけじゃないんかい」「悪役がエグすぎ」
毎年何本も作られるマンガの実写版の映画、ドラマのなかには、過激な青年マンガの作品もあります。今観るとかなりメジャーなキャストが衝撃的な悪役を演じており、驚かされる年齢制限アリの作品もありました。
後藤銀の若き日を誰が演じるのか
2025年も数々のマンガの実写版映画、ドラマが公開予定で、良くも悪くも各作品が大きな注目を集めています。これまでも膨大な数の実写版が作られており、なかには「年齢制限」を設けて過激な原作マンガの内容をしっかり映像化した名作も生まれてきました。
2025年3月19日からシーズン2が始まるドラマ『ガンニバル』(原作:二宮正明)は、2022年末から「Disney+」で全7話が配信され衝撃と絶賛を集めた人気作です。
閉ざされた山間の供花村を舞台に、失踪した前任の駐在に代わって赴任してきた警官「阿川大悟(演:柳楽優弥)」が、「人肉食の習慣がある」といううわさがある村の謎に迫り、自分自身も狂気に飲み込まれていきます。
Disney+内では15歳未満は観られない作品として配信されており、死体や顔を食われた男の特殊メイク、謎の巨大な老人「後藤家のあの人」の原作通りのビジュアルなども話題を呼びました。「あの人」を特殊メイクで演じたのは、まだ20代の身長195cmのイケメン俳優、澤井一希さんです。
よそ者を監視する村の閉鎖的な雰囲気、「暗闇に何かいそう」というJホラー的な演出など背筋のゾクゾクするような要素が満載で、さらには実写オリジナルのトンネルでの銃撃戦などの見せ場も用意されていました。
原作通りなら、完結編となるシーズン2はさらに過激な内容かつ、話のスケールも壮大になることが予想されます。原作10巻の壮絶な過去編はどこまで再現されるのか、村を牛耳る後藤家の旧当主「後藤銀(演:倍賞美津子)」の若き日を誰が演じるのか、さらに終盤の大事件にも要注目です。
同じく閉鎖的な田舎が舞台の衝撃作では、押切蓮介さんの同題マンガが原作の映画『ミスミソウ』も有名です。2018年公開の本作は、『ゴールデンカムイ』の「アシリパ」役でもおなじみ山田杏奈さんの初主演作で、山田さんは復讐に燃えるヒロイン「野咲春花」の演技が高く評価されています。
東京から田舎に転校してきた春花は、同級生からの壮絶ないじめに耐えていたものの、事態はエスカーレトして、いじめっ子たちに自宅を燃やされ両親は死亡、妹は意識不明の重体という惨劇が起きてしまいました。春花は復讐の鬼と化し、放火に関与した同級生たちを次々と殺害していきます。
田舎の雪原で、目を釘で刺される、鼻をペンチでつぶされる、除雪車に人が巻き込まれるなど、容赦ない残酷描写が描かれており、白銀の世界と鮮血の対比が際立つ映像美も見どころです。今観ると、最終的に春花が対峙する「ラスボス」的キャラを演じているのが誰なのかという点も衝撃で、また原作とは違う残酷な「生き残ったキャラ」を描いたラストも注目されました。
『アイアムアヒーロー』『アンダーニンジャ』で知られる花沢健吾先生の出世作で、ダメなサラリーマンの奮闘を描いた『ボーイズ・オン・ザ・ラン』は、2010年にR15+で実写映画化されています。主人公「田西敏行(演:峯田和伸)」は、同僚の「植村ちはる(演:黒川芽以)」に想いを寄せており、一時は両想いになるかけるも、そこからさまざまな悲劇が待ち受けていました。
本作で意外なほど悪役がハマっていたのは、ライバル会社の営業マン「青山貴博」を演じた松田龍平さんです。爽やかなイケメンの青山は田西の恋愛相談に乗ってくれるものの、ちはるを奪おうと画策しており、付き合った後も彼女を妊娠させたあげく捨ててしまいます。
あまりにも胸くその悪い悪役を熱演した松田さんには「青山のむかつくけど強者であるのは認めざるを得ない、だからこそ存在自体が非情な感じがうま過ぎる」「田西をマウント取ってボコってるさまなんかゾクゾクした」「吐き気するくらいの悪役なのにカッコよすぎて悔しい」と、多くの称賛が集まりました。パンフレットによると監督の三浦大輔さんは「徹底した悪役を演じてほしい」と熱烈なオファーをしたそうで、もともと原作ファンだった松田さんも快諾して、とにかく「イヤな奴」を意識して演じたことを語っています。
(マグミクス編集部)