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作品に罪はないのに… アニメ制作決定も即中止←ファン“落胆”の幻と化したアニメ4選

実は幻と化した「日本初カラーアニメ」が存在した?

画像は『少年ブック版 宇宙船レッドシャーク 限定BOX(復刻名作漫画シリーズ)』著:横山光輝(小学館)
画像は『少年ブック版 宇宙船レッドシャーク 限定BOX(復刻名作漫画シリーズ)』著:横山光輝(小学館)

●放送時期が延びて延びて……『マッドマシン』(1984年? 中止)

『マッドマシン』は、「葦プロダクション」制作の、カーレースをモチーフにした非ロボット系のアクションアニメでした。1983年2月にはアニメ雑誌などで情報を公表、上條修さんが描いた登場キャラやマシンに乗せて、「4月からフジテレビ系列で放送予定」とPRしました。ファンの期待値は高かったはずです。

 ところが、4月を前に「放送は7月に延期」、7月には1年後の「1984年7月に延期」と先延ばしになり、その後はほぼ情報が出なくなって番組は自然消滅となりました。

 原因は明らかにされていませんが、延期を伝える雑誌の記事に番組プロデューサーのコメントがあり、「3月には正式な局、放映枠が決定する。現在、シナリオ8本、絵コンテ2本が出来上がっている」とありました。スポンサー予定の「タカトクトイズ」が降りたのが誤算だったようですが、放送局が変わりそうな時点で見通しは悪かったのでしょう。

 これはうわさレベルの情報ですが、『マッドマシン』は2本が完成していたそうで、「葦プロ」のファンクラブイベントで、その映像を流して声をアテレコする企画があったとか。本当なら、このとき映像を見たファンは超レア体験だったはずです。

 余談ですが、この代替えとして放送されたのが『特装機兵ドルバック』でした。

●幻の日本初カラーアニメ……『宇宙船レッドシャーク』(1965年中止)

 1965年4月から「月刊少年ブック」(光文社)で連載スタートした横山光輝先生の未来SFマンガです。物語は、日本初の宇宙パイロットに選ばれた少年が宇宙船「レッドシャーク号」の隊長となり、地球のため、そして宇宙をめぐる難問に立ち向かう、というものです。

 アメリカと旧ソ連の宇宙探査戦争に影響を受けた内容で、読者からの人気が高く、8月には「ピー・プロダクション」が約6分のパイロット版アニメを製作します。そのアニメの最後には「TBSテレビで放送予定」と明言していました。さらに1966年「少年ブック正月増刊」でも、「テレビもちかく放送予定です」と書いてあったので、現実味は高かったと思われます。

 ところが、結果的にテレビ放送は頓挫してしまいました。原因はよく分かっていません。古いエピソードなので、これは都市伝説レベルの話ですが、実は、日本より先にアメリカで放送する構想があったのですが、主人公のモデルが旧ソ連の、人類初の宇宙飛行士「ガガーリン」だったため放送NGとされて、そうなると日本でも難しいかも、ということもあって頓挫した……という理由があったとか。

 もし日本での放送が1965年上半期だったなら、同10月から放送の『ジャングル大帝』より早かったため、『宇宙船レッドシャーク』が日本初の連続カラーアニメ作品になっていたそうです。

 昭和時代は、パイロット版を制作してテレビ局と話が進んでいながら急に中止、というケースはたくさんあったそうです。近年は、人気アニメの「第○期」が遅いな、と思われる作品が多く、続きを不安視するファンもいますが、早く朗報を届けてほしいものです。

(石原久稔)

【画像】瞳の大きさは原作通り…かも? こちらが『東京BABYLON』実写版の主人公です(3枚)

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