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作品に罪はないのに… アニメ制作決定も即中止←ファン“落胆”の幻と化したアニメ4選

マンガのアニメ化が決定すると、近年は製作委員会が出来るので、よほどのことがない限り頓挫・中止はありません。ただし、メインスポンサーが経営悪化、ましてや倒産なんかするとほぼアウトになります。

モラルや違反……アニメ化中止の理由

2021年4月にアニメ化が決定するも頓挫してしまった。画像は『東京BABYLON』愛蔵版 第1巻 著:CLAMP(KADOKAWA)
2021年4月にアニメ化が決定するも頓挫してしまった。画像は『東京BABYLON』愛蔵版 第1巻 著:CLAMP(KADOKAWA)

 2025年も、人気マンガの「アニメ化決定!」といううれしいニュースがたくさん飛び込んできています。ところが、ファンを喜ばせておきながら、まさかの「中止」という残念なケースがまれにありました。特に映画化やOVA化では、資金繰りに関係したトラブルで頓挫するケースが過去には多く見られます。

 そこで、ここでは、何らかのトラブルで「TVアニメ化が決定したのに中止になった残念な作品」をご紹介しようと思います。

●模倣発覚……『東京BABYLON 2021』(2021年中止)

 マンガ『東京BABYLON』は「CLAMP」先生の初期作品で、1990?93年までマンガ誌「サウス」(新書館)、「月刊ウィングス」(新書館)で連載されました。内容は陰陽師一族の若き当主を中心に、怪奇現象や霊的な事件、トラブルを解決する怪奇ファンタジーです。物語には、自殺やいじめ、新興宗教といったシリアスなテーマを絡めた社会派作品として人気でした。

 2度のOVA化、実写ドラマ化もされていましたが、2020年11月19日には翌年4月スタートのアニメ化決定が発表され、ファンは沸きました。

 ところが発表の翌日、Webサイトに公表されたキャラクターの衣装デザインが、韓国の某アイドルグループのものに似ていると指摘されて騒動となり、アニメ制作会社も模倣を認めました。それ以降、次々に模倣盗用が発覚したことから、製作委員会は何度も協議した末に放送中止を決定、3月にはプロジェクトも解散となりました。

 声優とエンディング曲に水樹奈々さんの起用が決まっていたため、がっかりしたファンは多かったようです。比較的最近の出来事なので記憶に新しい人も多いでしょう。

●デリケートな部分に触れたせいで……『二度目の人生を異世界で』(2018年中止)

 2014年「小説家になろう」のオンライン小説から人気になり、メディアミックス化されて2018年5月にアニメ化の決定がニュースになります。放送は10月からでした。

 作品の内容は、94歳で死んだ剣術家が異世界で生まれ変わり、再び活躍するファンタジーです。騒動のはじまりは、この主人公が異世界に来る前、中国大陸で従軍し3千人以上を虐殺した兵士という設定でした。これが中国のメディアで問題視されます。

 さらに5月下旬には、原作者「まいん」氏が作家になる前、X(旧:Twitter)で中国・韓国へのヘイトスピーチを幾度も投稿していたことが公になります。まいん氏は謝罪し、「小説家になろう」連載ページの公開停止、書籍の内容について修正を打診している、と公にしましたが騒動は収まりません。結局、小説版18巻の出荷停止が決定し、6月6日にはアニメ出演が内定していた声優4人が降板を表明、TVアニメも製作中止となりました。

 アニメ化決定から約ひと月というスピード中止。しかも海外からの批判が集まるとは、デリケートな社会的問題に対する認識が甘かったと感じます。ただ、小説の出版停止については「表現の自由を奪っている」という声があがるなど物議を醸しました。

【画像】瞳の大きさは原作通り…かも? こちらが『東京BABYLON』実写版の主人公です(3枚)

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