大容量カセットに押されて消えた「ディスクシステム」に体験談が続々 買って良かったポイントは「音」?
ファミコン本体とほぼ変わらない高価な周辺機器だった「ディスクシステム」には、多くの子供たちが憧れを抱きました。思いのほか短期間で勢いを失った機器ですが、多くの名作ゲームと楽しかった思い出をもつ人が多いようです。
名作ゲームを通じ、ディスクシステムの「価値」を感じた

マグミクスは先日、「ファミコン「ディスクシステム」のザンネン豆知識 一度も使われない『謎の端子』があった?」という記事を配信しました。1986年2月21日にファミリーコンピュータ(ファミコン)の周辺機器として発売されたディスクシステムには、さまざまな新機軸が盛り込まれて、そこから数多くの名作ゲームも生まれましたが、いま振り返ると「ロード時間が長く感じた」「大容量カセットの登場で勢いがなくなった」といった残念な部分もありました。
そうした記事内容について数多くのコメントが寄せられています。実際に「ロード時間の長さ」を当時から感じた人もいましたが、ディスクカードはゲームカセットよりも慎重な取り扱いが必要で、磁気や汚れによってディスクが使えなくなった……という失敗談も複数寄せられました。
一方、ディスクシステムについて「良かった思い出」を語るコメントは実に多く、なかでも特に、「音質」の良さを挙げる声が目立ちました。ディスクドライブとファミコン本体をつなぐ「RAMアダプタ」内に、当時としては高音質な「FM音源」を1チャンネル分搭載しており、初代『ゼルダの伝説』について、「一番良かったのはやっぱりサウンドだった」と評価する声が複数ありました。
当時は『ゼルダ』以外にも、音楽が高く評価されたディスクシステム向けゲームが次々と登場しました。特に、コナミから発売された『悪魔城ドラキュラ』や『ファルシオン』『エスパードリーム』など一連の作品群は、ゲーム内容とあわせて音楽の評価がきわめて高く、今でもメロディを口ずさむことができるほど、思い出に残っている人も多いでしょう。
「500円で別のゲームに書き換え」←当時の子供にとってはうれしすぎた

ディスクシステムの大きな魅力は、対応店舗で「500円でほかのゲームに書き換えてもらうことができた」という点です。当時発売されていたゲームカセットは3000円台から5000円台のものが多く、子供が自分の小遣いで新しいカセットを買うのはハードルが高かったのです。
「安い金額で新しいゲームができることが魅力的だった」「何度も書き換えに通った」「当時の少ない小遣いでゲームが買えたのは本当にありがたかった」といった声があがっています。
そして、前掲の記事で紹介していた、「ファミリーコンピュータ・ネットワークシステム」構想で使われるはずだった「謎の端子」については、「端子の存在に気付いていたけれど、何に使うのかは分からなかった」といった声が複数ありました。
そのなかで、ひときわ興味深い指摘が、「一般家庭にあるコンピュータで最も普及していたのがファミコンだったから、いろいろな構想がされていたんですね」というコメントでした。
ファミコン発売当時には、ゲームづくりなどを通じてプログラミングが学べる「ファミリーベーシック」や、ファミコンから命令してロボット玩具を動かして遊ぶ「ロボット」と「ジャイロセット」、ビデオ編集も可能な互換機「編集ファミコン」、通信アダプタを使って株取引ができる「ファミコントレード」など、画面上でゲームを遊ぶ以外の目的をもった周辺機器が数多く登場しました。
それらの周辺機器は、多くの子供たちが体験できたわけではないと思われますが、パソコンが「一家に1台以上」といえるほど普及していなかった時代に、コンピュータが生活に新たな価値をもたらしてくれるという「可能性」を見せてくれたといえるでしょう。
(マグミクス編集部)