『Zガンダム』最低のクズ男? “仮面の優しさ”で女性を支配する「シロッコ」の狡猾な本性
依存体質の女性を見抜き、利用するシロッコ

シロッコの周囲には常に女性がいます。これは彼が、女性が世の中を統治すべきと考えるほど、女性の優秀さを認めているからとも取れます。しかし、彼は女性を自分の都合のいいように操り利用している、というのが実情です。
代表的なのが、若手パイロットである「サラ・ザビアロフ」です。ニュータイプの素質を持つ彼女を非常に重宝していますが、サラは依存的な性格なのか、シロッコに心酔しています。それはシロッコが自分に依存させるように仕向けたのではないかと思えます。最後までサラはシロッコに心酔したまま死んでいきますが、彼女は本来心優しいタイプで、戦争でも人を殺したくないという発言もありました。シロッコに依存しなければ、もっと穏やかな生き方があったのではと思えます。
シロッコを巡るもうひとりの女性キャラクターは、「レコア・ロンド」です。彼女はシロッコだけが自分を「女」として扱ってくれたと言っています。レコアもまた、さまざまな事情があって誰かに依存せずにはいられないという部分があり、シロッコは、どうもこういう依存体質の女性を見抜く能力が高いように思えます。そして、自分に尽くすように仕向け、利用する、だが表向きは理解がある人物として振舞っているのがやっかいなところです。
こういう女性につけ込む、優しげな男は現実にもいるでしょう。優しい言葉をかけて心の穴を埋めて自分に貢がせる悪徳ホストみたいなキャラクターだなと思います。
こうした女性を利用することへの嫌悪感のようなものが、本作全体から感じられます。それはこのシロッコの存在に代表されるわけですが、もうひとりの敵役である「ハマーン・カーン」も自身の野望のために幼い少女「ミネバ・ラオ・ザビ」を担ぎ上げ、利用しています。本作は、そんな他人を自分のために利用する存在が打倒される物語とも言えるかもしれません。







