1話で物議を醸したワケとは? 2025春アニメ「問題のシーン」の真実
2025年春アニメには話題作も多く、放送を待ち望んでいたファンも多いでしょう。なかには、演出や構成について視聴者の間で評価が分かれた作品もありました。
第1話でまさかの「未完成映像」が?

2025年春アニメも出そろい、好評です。しかし、なかには序盤から演出や構成などについて、視聴者の間で物議を醸した作品もありました。では、それ以降はどうなったのでしょうか?
TVアニメ『あらいぐま カルカル団』は、第1話の演出の意図が見えずに戸惑った視聴者が多かったようです。同作はショートアニメで、1977年から放送された『あらいぐまラスカル』のスピンオフ作品です。
初回の放送では「皆様からの熱いご期待に応えるべく、関係者一同心を込めて制作を進めてまいりました結果、第1話は未完成映像にてお届けすることになりました」のテロップとともに、絵コンテ状態の映像が流れました。
また、オーディオコメンタリー形式で出演者が自己紹介を始め、全員が「津田健次郎」と名乗るというフリートークが繰り広げられます。予想外の状況に視聴者が困惑したものの、第2話で第1話の完全版が放送されました。
『あらいぐま カルカル団』は毎週木曜日24時54分より、読売テレビほかにて放送中です。またHulu、U-NEXTほかで配信されています。
またTVアニメ『アン・シャーリー』も原作や過去シリーズと比較され、物議を醸しています。児童文学『赤毛のアン』(作:ルーシー・モード・モンゴメリ/訳:村岡花子)をもとにした作品で、1979年にも原作と同題のアニメが放送されました。
主人公「アン・シャーリー(CV:井上ほの花)」が、孤児院から兄妹で暮らす「マシュウ・カスバート(CV:松本保典)」と「マリラ・カスバート(CV:中村綾)」の家に引き取られ、新天地で暮らしていく物語です。第2話からはアンの友人「ダイアナ・バーリー(CV:宮本侑芽)」も登場します。
放送後は、一部のファンから「アンはピンクの服を着ない」「ダイアナの目は青ではなく黒」と指摘されました。ただ、この変更は公式HPで川又浩監督が語った「人それぞれのアン・シャーリー像を自分なりの解釈で表現」した結果でしょう。ネット上でも、新たなアンの物語として広く受け入れられていました。
『アン・シャーリー』はNHK Eテレにて毎週土曜日18時25分から放送中です。ABEMA、dアニメストアほかでも配信されています。
2011年から2013年にかけて実写版のTVシリーズや劇場版が公開された『謎解きはディナーのあとで』(原作:東川篤哉)も、春アニメとして放送が始まりました。お嬢様でありながら国立署の刑事として働く主人公「宝生麗子(CV:花澤香菜)」が、執事の「影山(CV:梶裕貴)」に振り回されながら難事件を解決します。
物議を醸したのは、麗子がお嬢様としてパーティに列席して腰を左右に振って歩いた1話の冒頭シーンで、一部の視聴者から「不自然」「作画崩壊」といった声があがりました。
しかし、これはアメリカの有名な女優であるマリリン・モンローが、かつて出演した作品で見せた「モンローウォーク」という歩き方に似ています。また、友人たちのもとへ駆け寄ろうとした麗子はその後に転倒しているため、不自然な歩き方をしていたのかもしれません。
恐らく指摘している人は、モンローウォークを知らなかったことで、作画ミスと捉えてしまったのでしょう。また、それ以前のシーンや2話以降、「作画崩壊」と騒がれる描写はなかったことからも、意図的なものだと分かります。
『謎解きはディナーのあとで』はフジテレビ系列で毎週金曜日23時30分から放送中のほか、Amazon Prime Videoで独占配信されています。
(LUIS FIELD)


