『キューティーハニー』ラスボスと決着つかず50年… 「勝負がついていない」事実が衝撃的
愛の戦士「キューティーハニー」の宿敵といえば、悪の組織「パンサークロー」の首領である「パンサー・ゾラ」です。ところが歴代のアニメシリーズを振り返ってみると、ゾラが明確に倒される描写はほとんどありません。では、これまで各シリーズの最終回はどのように描かれてきたのでしょうか。
ハニーの因縁の相手の「その後」って?

1973年にメディアミックス企画として始まった「キューティーハニー」シリーズは、これまでに5回アニメ化され、愛の戦士「キューティーハニー」と悪の組織「豹の爪(パンサークロー)」の戦いが繰り広げられてきました。
しかし改めてシリーズ全体を見直してみると、ある驚くべき事実に気付かされます。「真のラスボス」とされる存在が、いまだ明確に倒されていないようなのです。
そもそも主人公の「如月ハニー」は、天才科学者「如月博士」によって生み出された美少女アンドロイドで、人間ではありません。体内には空気中の元素からあらゆる物質を生み出すことのできる「空中元素固定装置」が組み込まれており、この力によって自在に変身することができます。
そしてこの装置を奪おうと暗躍するのが、謎の秘密結社「パンサークロー」です。首領である「パンサー・ゾラ」は、人間の欲望を象徴するような存在で、「空中元素固定装置」を使って思いのままに宝石や貴金属をつくりだそうとしていました。その争いに巻き込まれて愛する博士を失ったハニーは、愛の戦士キューティーハニーとして戦いの道を歩み始めます。
つまりゾラこそがハニーにとって最大の宿敵と言えるわけですが、どのシリーズにおいても、因縁が完全に清算される場面が描かれていません。例えば1970年代に放送された初代TVアニメ版は、ゾラがようやく出てきたところで物語が終了します。まるで「俺たちの戦いはこれからだ!」と言わんばかりのラストでしたが、実は永井豪先生によるマンガ版もゾラとの対決に至る前に幕を閉じているのです。
では1990年代に展開されたOVA『新・キューティーハニー』はどうでしょうか。TVアニメ版の続編にあたる本作は、パンサークローとの決戦から数十年後の世界が舞台となっています。物語中盤では、闇の魔王「ドルメック」の力によってゾラが現世に蘇るものの、当初予定されていた全12話が大人の事情により8話に短縮され、ゾラとの決戦は描かれないまま物語が終わりました。
その後に放送されたリメイク版『キューティーハニーF』、庵野秀明監督が手がけたOVA『Re:キューティーハニー』、そして「ラスボス」の異名を持つ小林幸子さんがゾラ役を務めた『Cutie Honey Universe』においても、ゾラとの因縁に明確な決着はついていません。
むしろ多くのシリーズでラスボス的な立ち位置を担ってきたのは、ゾラの右腕的存在である「シスター・ジル」です。シリーズ終盤になると必ずジルが立ちはだかり、激闘のすえに決着を迎えるという流れが定番となっています。
特に『Re:キューティーハニー』や『Cutie Honey Universe』では、もはやジルがパンサークローの首領を務めており、ハニーとの因縁の軸は、ゾラからジルへとシフトしている印象すらあります。
ただひとつ、ゾラとの直接対決がしっかり描かれていたのが『キューティーハニーF』です。最終回を前にして、ついにゾラと対峙し、苦戦のすえにハニーが勝利を収めました。
しかしエンディング後には「勝ったと思うなよ、キューティーハニー。私は必ず蘇る」という不穏なセリフが残され、迎えた最終話では倒されたはずのジルが再び姿を現します。ゾラの分身であるジルが復活していることから考えても、ゾラが完全に倒されたわけではないことがうかがえます。
そもそもゾラは、「人間の欲望」の化身のような存在です。この世に欲望がある限り、ゾラもまた何度でも蘇るのかもしれません。これまでハニーの戦いを見守ってきたファンとしては、いつかゾラとの因縁に、はっきりとした決着がつく瞬間を見てみたいものですね。
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(ハララ書房)