ファミコンで“突先”が見えちゃった? 規制の抜け穴(?)突いた大人な表現に「この手があったか」
「女湯」で何が見えた?

●『桃太郎伝説』
最後に紹介するのは、男子勢がかつて味わった(かもしれない)体験への喪失感を思い起こす場面です。対象となるゲームは、ファミコンソフト『桃太郎伝説』。タイトルからも察しがつく通り、おとぎ話の「桃太郎」を題材としたRPGで、こちらも長く人気を博しました。
本作には、「主人公の桃太郎は6歳からスタートし、プレイ時間に応じて年を取る」というユニークなシステムがあります。このシステム自体は、大きな影響のないフレーバー的な要素ですが、とある場面では大きな分岐路となります。
桃太郎が訪れる場所のひとつ「希望の都」には銭湯があり、湯を満喫する桃太郎のグラフィックが見られますが……この銭湯には(ある意味当たり前ですが)「男湯」と「女湯」があり、桃太郎は女湯に向かうことも可能です。
そのまま女湯に入ろうとすると、女湯に入れるのは8歳までだと止められ、男湯に入るしかありません。……すでに察しのいい方は気づいていると思いますが、文章からも分かる通り、止められてしまうのは9歳以上から。8歳までに辿(たど)り着けば、そのまま女湯に直行できます。
女湯の暖簾(のれん)をくぐった先には女性客たちがおり、まだ8歳以下の桃太郎を暖かく迎えてくれます。『桃太郎伝説』の世界では、8歳はまだ子供なのでしょう。桃太郎は誰にも咎(とが)められることなく、顔を真っ赤にして湯舟に浸かります。
リアル世界でも、幼かった頃に母親と一緒に女湯に入った経験があってもおかしくありません。ただし、記憶に残ってないほど昔の話のはず。身体は味わったはずなのに、記憶は一切ない女湯の光景。その「思い出せない思い出」があることを、『桃太郎伝説』の女湯を通して察し、喪失感に襲われた人もいることでしょう。
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人外の「突先」に、不意撃ちの「正面で足組み替え」、女湯に入ることが許された「記憶にない記憶」を呼び起こす銭湯シーンと、いずれもファミコンキッズたちに大きな衝撃を与えたものばかり。ここから、何かに「目覚めた」としても、決しておかしくありません。
こうした大人な表現は、時代と共に変わりつつも、それぞれのプレイ体験として色濃く残っているはず。あなたが忘れられない大人な表現を、改めて思い出してはいかがですか。広大なインターネットの世界なら、きっと同士が見つかるはず!
(臥待)

