「強い」を通り越して「怖い」! 2025秋アニメを彩る戦闘狂ヒロイン3選
ヒロインは主人公に守られるべき存在。そんな時代は、もはや過去のものかもしれません。現在放送中の秋アニメには、己の拳で道を切り開く「頼もしいヒロイン」たちが勢ぞろいしています。
拳で語る淑女たちが「強すぎ」

いまや戦うヒロインの存在自体は、そこまで珍しくありません。しかし2025年の秋アニメには、「強い」を通り越して「怖いほど頼もしい」ヒロインたちが勢ぞろいしています。襲いかかる敵を自らの拳で沈め、男性キャラに守られるどころか守ってしまう……こうしたチート級の強さが、多くの視聴者の注目を集めているのです。
まずその筆頭となるのが、『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』(作:鳳ナナ)の主人公「スカーレット・エル・ヴァンディミオン(CV:瀬戸麻沙美)」です。一見すると銀髪にドレスをまとった気品あふれる公爵令嬢ですが、その本性は幼い頃から殴ることが大好きな筋金入りの戦闘狂。いわば暴力の化身です。
キレると愛用の鋲付きグローブをはめ、悪人たちを片っ端からボコボコにしていくのがお約束で、相手が女性だろうと人間でなかろうと容赦がありません。第1話では悪徳貴族たちを血祭りにあげ、第4話では飛竜を一撃(素手)で昏倒させていました。ほかにも物理攻撃の通じない相手には、首相撲を何発もお見舞いするなど、これほど拳で語る淑女が過去にいたでしょうか?
腕っぷしの強さでいえば、『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』の「岡田ユリコ(CV:茅野愛衣)」も負けていません。彼女は『仮面ライダーストロンガー』の女性戦士「電波人間タックル」を夢見る高校教師で、ショッカー襲来に備えて日々鍛錬を積み重ねてきました。
主人公の「東島丹三郎(CV:小西克幸)」も、仮面ライダーへの憧れから鍛錬を重ね、いまやクマとも互角に渡り合えるほどの肉体を手にしていますが、ユリコの格闘術もそれに劣りません。自分より大柄な男を豪快な一本背負いで投げ飛ばし、相手が本物のショッカーでも互角に渡り合います。おそらくユリコもクマと同等、あるいはそれ以上の実力者といえるでしょう。
一方で、美しい外見と凄まじい戦闘能力のギャップで視聴者を驚かせているのが、『永久のユウグレ』のヒロイン「ユウグレ(CV:石川由依)」です。本作は文明崩壊後の世界を舞台にしたSF作品で、ユウグレは主人公「姫神アキラ(CV:梅田修一朗)」が文明崩壊前に付き合っていた恋人にそっくりなアンドロイドとして登場します。
金髪ロングが印象的な美少女ですが、その戦闘能力は規格外です。目にも止まらぬ速さで敵に接近したかと思うと、強烈なキックをお見舞い。放たれた銃弾はシールドで弾き返し、腰から抜いたビーム刀で舞うように敵を次々と斬り伏せていました。
さらに極めつけは腕のビーム砲で、そこから放たれる一撃は、山をひとつ吹き飛ばすほどの圧倒的な威力を誇ります。その力でアキラのことを守ってくれるユウグレは、まさに騎士的な存在です。しかも彼女はなぜかアキラとの結婚を望んでおり、第2話では強烈な壁ドンまで決めています。守られ、助けられ、壁ドンまでされるアキラ……。もはや彼のほうがよっぽどヒロインらしい存在です。
ちなみに先日、アニメ化が発表された『逃がした魚は大きかったが釣りあげた魚が大きすぎた件』(小説:ももよ万葉、三登いつき、マンガ:ながと牡蠣)も、武闘派令嬢を主人公に据えています。今回紹介した3人に限らず、こうした武闘派ヒロインの時代が本格的に到来しつつあるのかもしれません。
(ハララ書房)