あえて「影」を入れてる? 『ばけばけ』OPの写真は「錦織が撮影してる」設定なのか 「納得」「見る目変わる」
連続テレビ小説『ばけばけ』のOPの写真は、錦織が撮影しているのでしょうか。
川島さんはわざと影入れた?

2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)と、彼を支え、「再話文学」の元ネタとなるさまざまな怪談を語った、妻・小泉セツがモデルの物語です。
同作のOP映像では、ハンバート ハンバートの主題歌「笑ったり転んだり」に乗せて、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」と夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」の写真のスライドショーが流れています。
実は最近、この写真はもうひとりのメインキャラ「錦織友一(演:吉沢亮)」が撮っているという設定なのではないか、という説が広まっているようです。なぜこのような考察が出てきたのでしょうか。
実際にこれらの写真を撮っているのは写真家の川島小鳥さんで、松江城や小泉八雲旧居、宍道湖、城山稲荷神社、月照寺など、松江の八雲さんとセツさんゆかりの土地で、高石さんとバストウさん、川島さんの3人だけで撮影が行われたそうです。
ただ、OPの写真は劇中のトキとヘブンを撮っているものなので、撮影者は登場人物の誰かだとも考えられます。そんななかで気になるのが、ある1枚に写っている「影」です。
OPが始まってから7枚目の、ふたりが履いている下駄をアップにした写真には、右下に撮影者のものと思われる影が写っています。その影の頭部が丸く膨らんでいるように見えるため、おなじみの帽子をかぶった錦織がこの写真を撮っている、という説が生まれたようです。
SNSでは
「OPの写真、錦織さん撮影設定かなって、ずっとヘブン先生とのやりとり見てきて思った人多いんだろな。影を指摘してる人いて、すごいって思った。今日気にして見たら、そうとしか思えない」
「カメラマンの影が入ってる!ってディスってるポストをずっと前に見かけたけど、違うでしょ何らかの意図的なものに決まってるって思ってた。なるほど錦織さん撮影で納得」
「ほんとだ、あの帽子の形だ!!カメラマンの影が映りこんでいるという演出、撮影が川島小鳥さんで有名な写真家なので、それでこういう演出なのかな?と思ってた…。錦織さんが泣きながら(決めつけ)撮ってたんだあれ…。ますます幸せ一杯な写真じゃんか…」
「OPのお写真は錦織さん撮影って聞いてから完全に見る目変わるし、ふたりから絶大な信頼をされてるのが伝わる」
といった声が出ていました。
もちろん、明治時代にOPのような鮮明なカラー写真を撮る技術はありません。また、小西本店(現:コニカミノルタ)から、日本初のアマチュア向けの市販カメラ「チェリー手提暗函(てさげあんばこ)」が発売されたのは、八雲さんたちが松江を去ってから10年以上経った1903年のことです。
ただ、時代考証は無視して、OPのトキとヘブンを撮影しているという設定にふさわしい登場人物を考えると、たしかに錦織しかいないでしょう。
錦織のモデル・西田千太郎さん(松江中学の教頭)は、八雲さんの大親友だった人物で、セツさんとの結婚の媒酌人になったとも言われています。ともに旅行にも行き、八雲さん夫妻が1891年11月に松江を離れて熊本に行ってからも、手紙のやり取りをしていました。セツさんも、後年の追想録『思ひ出の記』のなかで、何度も西田さんの名前を出しています。
撮影を担当した川島さんは、「大親友の錦織(西田さん)がトキとヘブン(セツさんと八雲さん)を撮っている」と思わせるために、あえてそう見える影を入れたのかもしれません。
※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」
(マグミクス編集部)