『ばけばけ』負けヒロインになった「イライザ」に共感の嵐 再登場の可能性はゼロではない?
NHK連続テレビ小説『ばけばけ』の、2025年内最後の放送回は、大人の恋の諦めと優しさを描いた展開に心打たれ、涙した視聴者が多くいました。ただ、身を引いた「ヒロイン」については、今後の登場の可能性もゼロではないかもしれません。
イライザの切なさと優しさに視聴者感動

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)とその妻セツをモデルとしたNHK連続テレビ小説『ばけばけ』の、2025年内最後の放送回は、ヘブン(演:トミー・バストウ)に会いに松江を訪れたアメリカの女性記者「イライザ・ベルズランド」(演:シャーロット・ケイト・フォックス)が、ヘブンと女中のトキの間で通じ合う思いを察知し、身を引いて帰国する展開が描かれました。
イライザはヘブンの元同僚で、かつて彼に日本行きを勧め、想いを寄せていた人物です。ヘブンの手を握り、「日本を離れて、一緒にどこかで滞在記を」と誘いますが、何も答えないヘブンの手を最終的に離してしまいます。次のシーンでは、ヘブンのセリフでイライザが帰ったことが告げられ、別れのシーンも描かれませんでした。
多くの視聴者がイライザに共感を示しており、「ヘブン先生の変化に気づいて手を離すの切ない」「日本まで来てくれたのに」「相手の幸せを願って身を引く優しさが苦しい」「イライザさん不憫すぎるけど、暖かい人」「シャーロットさんの演技が美しくて泣けた」などの声があがっています。
また、同じくトキと「やりなおし」に松江へやってきた元夫の銀二郎も、「あきらめます」と頭を下げて身を引く展開が描かれました。「イライザと銀二郎が『「私とあなたは一緒ね」と言うシーンの切なさ」「失恋組のイライザと銀二郎が同士みたいで胸締め付けられる」「銀二郎もイライザも幸せになってほしい」といった声があいついでいます。
イライザ「再登場」の可能性がゼロではないワケ
ヘブンへの届かない思いを飲み込んで去っていたイライザですが、今後『ばけばけ』での登場はあるのでしょうか。イライザのモデルである女性記者「エリザベス・ビスランド」の軌跡を見ていくと、可能性はゼロとは言い切れません。
エリザベスは、ラフカディオ・ハーンの11歳年下の女性ジャーナリストで、ハーンの記事に影響されて、1882年に、ハーンと同じ新聞社に入社。たぐいまれな美貌を持ち、すぐれた文筆の才能で女性ジャーナリストとして有名になりました。
ハーンとセツが夫婦になった同年の1891年に、エリザベスもニューヨークで弁護士と結婚していますが、その後もエリザベスとハーンは手紙のやり取りを長く続けていました。そしてハーンの死後の1906年に、伝記『ラフカディオ・ハーンの生涯と書簡(The Life and Letters of Lafcadio Hearn)』を発表、後年には日本を訪れ、セツとも親交を持ったとされています。
『ばけばけ』で、こうした史実に着想を得たエピソードが描かれるとすると、例えば物語の最終盤でイライザが日本のどこかに姿を現す……といった展開もあるかもしれません。『ばけばけ』の物語もちょうど折り返し点にさしかかったところ、2026年1月5日(月)からの放送再開を楽しみに待ちたいところです。
(マグミクス編集部)
