朝にふさわしくなかった? 『ばけばけ』全部は聞けなかった「小豆とぎ橋」の怪談は「シャレにならん」「グロが」
連続テレビ小説『ばけばけ』61話でオチだけ聞こえた「小豆とぎ橋」の怪談は、どのようなものなのでしょうか。
トキが語った怪談のなかでも「最恐」?

2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)と、彼を支え、「再話文学」の元ネタとなるさまざまな怪談を語った、妻・小泉セツがモデルの物語です。
第13週61話の冒頭では、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」が、未来の夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」に「小豆とぎ橋」の怪談を話していました。劇中では「蛇と蛙(声:阿佐ヶ谷姉妹)」のナレーションがかぶっていたため、視聴者は一部しか聞けませんでしたが、最後に「首のない我が子が転がっていた」と、何やら恐ろしいオチが語られています。こちらはどのような怪談なのでしょうか。
ヘブンのモデル、ラフカディオ・ハーンさんが1894年に発表した来日後初の著作『知られぬ日本の面影』には、松江についてさまざまなことを書いた「神々の国の首都」という項があり、土地に伝わる「小豆とぎ橋」の話も紹介されていました。
この橋は普門院というお寺の地所にあったそうで、夜ごとに女の幽霊が現れてたもとで小豆を洗っていたため、このような名前が付けられたといいます。理由は定かではありませんが、その幽霊は「杜若(かきつばた)」の花にちなんだ謡曲を聞くと怒り出し、恐ろしい災厄をもたらすと言われていました。そのため、橋の近くでは決してその歌を歌ってはならないという言い伝えがあったそうです。
しかしある夜、怖いもの知らずの侍が小豆とぎ橋を通りかかった際に、杜若の謡曲を大声で歌ってしまいました。幽霊は現れず、侍は笑い飛ばして帰路につきますが、帰ってみると自宅の前にすらりと背が高く美しい女が立っていたそうです。
女はお辞儀をした後、侍に漆塗りの文箱を差し出し「私はただの使いでございます。奥方様よりこれを預かって参りました」と言って、ふっと姿を消します。侍がその箱を開けると、なかには子供の生首が入っていました。そして、侍が慌てて家に入ると、座敷に首を取られた我が子の亡骸が転がっていたそうです。
この「小豆とぎ橋」は、これまでトキが語った怪談のなかでも特に凄惨で怖い部類の話だったため、朝ドラでは全部は語られなかったのかもしれません。
ただ、トキとヘブンは61話で実際に小豆とぎ橋を訪れ、昼間ということもあって杜若の謡曲を歌ってしまいました。第13週では何か「災厄」が訪れるのでしょうか。
※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」
参考書籍:『新編 日本の面影』(著:ラフカディオ・ハーン/訳:池田雅之/KADOKAWA)
(マグミクス編集部)

