まだ60話ある『ばけばけ』今後の「ペース配分」はどうなる 「ほぼ松江編?」「第1話の屋敷にはいつ行くの?」
連続テレビ小説『ばけばけ』では、ついにトキとヘブンが互いの気持ちに気付き、結ばれました。残りのエピソードは、どのように配分されるのでしょうか。
松江にはまだまだ今後が気になる要素がたくさん

2025年後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、1890年に来日し、『知られぬ日本の面影』『怪談』などの名作文学を残した小泉八雲さん(パトリック・ラフカディオ・ハーン)と、彼を支え、「再話文学」の元ネタとなるさまざまな怪談を語った、妻・小泉セツさんがモデルの物語です。
2025年内最後の放送となった第13週65話では、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」と、「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」が、互いの気持ちに気付いたかのように散歩に出かけ、夕焼けの宍道湖を前に手をつなぐ場面で終わりました。
ふたりが結ばれたことを表す美しい演出の数々に、SNSでは「最終回かと思った」「これで終わりでいいくらいカンペキ」といった感想も出ていましたが、『ばけばけ』の放送はまだ60話分も残されており、2026年1月5日(月)から再開予定です。
65話の最後に次週予告はありませんでしたが、第14週「カゾク、ナル、イイデスカ?」の66話のあらすじはすでに発表されています。
内容を見ると、ヘブンと同僚の「錦織友一(演:吉沢亮)」が『古事記』の舞台である出雲を旅行しているところへ、松江にいるはずのトキが「ヘブンから突然呼び出された」とやってきて、ヘブンがトキと錦織に「大事な話がある」と何かを語るそうです。
また、第14週はタイトルを見るかぎり、トキの養家・松野家の家族たちがヘブンとの結婚に反対するエピソードも描かれると思われます。
14週の内容も気になるところですが、SNSでは史実を踏まえてこれからの物語の「ペース配分」がどうなるのか、という予想も盛り上がっていました。
※ここから先の記事では『ばけばけ』のネタバレにつながる情報に触れています。
モデルのハーンさんとセツさんは、1891年夏頃に夫婦になり、同年11月から熊本、1894年10月から神戸、1896年9月から東京と、何度も移住を繰り返しています(いずれもハーンさんの仕事の都合)。そしてハーンさんは1904年9月、セツさんは1932年2月に東京で亡くなりました。ふたりの墓は、東京都豊島区にある雑司ヶ谷霊園内に並んでいます。
こうした史実を踏まえると、今後『ばけばけ』は「熊本編」「神戸編」「東京編」と話が進んでいくはずですが、トキたちはいつまで松江にいるのでしょうか。
ハーンさんが松江に住んでいたのは443日という短い期間でしたが、描くべきエピソードをあげてみると、『ばけばけ』は「松江編」が大半を占める可能性も考えられます。まず、『ばけばけ』第1話冒頭でトキとヘブンが住んでいた屋敷に引っ越す場面は、これから確実にあるでしょう。
武士の生活を体験してみたかったというハーンさんは、1891年6月にセツさんと松江の北堀町にある武家屋敷に転居しました。こちらが今も「小泉八雲旧居」として残り、観光地にもなっている屋敷です。
第1話で登場した屋敷の池には、本作のナレーションを担当している「蛇と蛙(声:阿佐ヶ谷姉妹)」が棲んでいました。小泉八雲旧居の池には実際に蛇と蛙が生息していたそうで、セツさんは後年の手記『思ひ出の記』のなかで、ハーンさんが蛇が蛙を食べてしまわないように自分の食事を分け与えた、という話を語っています。
『ばけばけ』のナレーターを蛇と蛙が務めているのは、こういったエピソードがもとになっているそうです。1話の冒頭につなげるために、トキとヘブンが武家屋敷に引っ越して蛇と蛙に出会う場面は、これから描かれるでしょう。
そのほか、トキの養祖父「勘右衛門(演:小日向文世)」と「上野タツ(演:朝加真由美)」の恋愛がどうなるのか、遊女「なみ(演:さとうほなみ)」は遊郭から抜けだせるのか、トキの弟「雨清水三之丞(演:板垣李光人)」はまともに働くようになるのかなど、視聴者が気になっている点は多々あります。
『ばけばけ』の熊本編のポスターは、すでに公式X(旧:Twitter)で発表されていますが、まだまだ松江編が続く可能性も高そうです。
※高石あかりさんの「高」は正式には「はしごだか」
参考書籍:『セツと八雲』(朝日新聞出版)、『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)
(マグミクス編集部)
