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『ばけばけ』スピンオフがあるなら見てみたい話は 「女中の結婚」「正木のモデルとの富士登山」「おタエのモデルの奇行」など

女中・おクマは結婚できる?

正木役の日高由起刀さんのプロフィール写真
正木役の日高由起刀さんのプロフィール写真

●正木とヘブンの富士登山

 ヘブンたちと熊本で同居するも、24週以降の東京編では姿を見せず話題にも出なかった生徒「正木清一(演:日高由起刀)」は、ハーンの教え子のひとりで、松江中学を卒業後に、1895年に熊本第五高等中学校に入学(すでにハーンは退職していた)した藤崎八三郎(旧姓:小豆沢)ではないかと言われています。

 藤崎はその後士官学校に進んで職業軍人になり、日露戦争では陸軍大尉として満州軍総司令官・大山巌の副官を務めた人物です。ハーンは1904年9月26日夜に亡くなる数時間前、出征中の藤崎宛に手紙を送っており、これが彼の絶筆となりました。

 そんな藤崎はハーンが東京に引っ越して1年後の1897年夏に、彼と富士登山をしています。ハーンお気に入りの避暑地、静岡県の焼津にやってきた藤崎は、40代後半の恩師を支えながら無事登山を成功させました。藤崎は手記で「一人の強力(登山案内人)が先生の腰に巻いた帯を引いて、もう一人は後ろより押し上げやっと夕方8合目に到着。一泊して翌朝8時についに頂上に到着した」と綴っています。

 御殿場駅前の宿で待っていたセツは、まだ生まれたばかりの次男・巌を抱きながら、編み笠を被って金剛杖を持ち、足袋をはいた状態で戻ってきた夫を見て、晴れやかに笑ったそうです。ハーンはこの体験をもとに、『富士の山』というエッセイを書きました。トキとヘブン、正木でも見てみたいエピソードです。

●女中・クマの結婚

 モデルの小泉家には松江から東京時代まで仕えたお米、熊本で雇われた身寄りのない少女・お梅と、長年使えた女中が複数人いましたが、『ばけばけ』では熊本出身の「クマ(演:夏目透羽)」がひとりでその役割を引き受けていました。そんなクマは、熊本にいた時からヘブンの生徒で「錦織友一(演:吉沢亮)」の弟「丈(演:杉田雷麟)」といい雰囲気になっていたものの、ふたりは最後まで結ばれてはいません。

 史実ではお梅は1899年秋頃に熊本に帰って結婚、お米はその翌年に28歳で宮内庁に勤めていた鈴木幸三の後妻として嫁いでいます。このお米は鈴木とその間に生まれた子供に先立たれ、その後にふたりの男性と結婚するも、その間に生まれた子供4人と夫全員とも死別し、セツのもとに奉公に戻ってきた不幸な人物でした。セツは1902年3月に大久保に家を買った際、その裏にお米と鈴木のための家を建ててあげるほど彼女を大切にしていたそうです。

 また、1901年の夏には前述の焼津でハーンが仲良くなった魚屋・山口乙吉という人物の娘、お咲も女中として小泉家にやってきました。当時まだ13歳だったお咲はハーンたちに家族同然にかわいがられ、8年後の1909年に嫁ぐことになった際は、セツから「人間は、どんなにいい姿をしていても、その人の言葉一つでわかります。決して言葉は崩してはいけません」という、結婚生活の心得の言葉を貰ったといいます。

『ばけばけ』でも、トキがおクマと丈のために屋敷の裏に家を建て、嫁ぐ前に結婚で大事なことを教える、というエピソードが作れそうです。ちなみに丈のモデル・西田精は東京帝大卒業後に工学博士となり、全国の上下水道の整備に貢献しました。

 そのほかにも、「イライザ・ベルズランド(演:シャーロット・ケイト・フォックス)」のモデル、エリザベス・ビスランドが1889年に雑誌の企画でネリー・ブライという別の女性ジャーナリストと世界一周旅行の時間を競う冒険に出た話や、ハーンの次男・巌と松江中学の生徒「小谷春夫(演:下川恭平)」のモデル・大谷正信が、1926年からハーンの著作の全集の翻訳に関わったエピソードなど、スピンオフで見てみたい物語は多数あります。今後に期待です。

※高石あかりさんの「高」は「はしごだか」

参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)、『父「八雲」を憶う』(東香出版)、『父小泉八雲』(小山書店)

(マグミクス編集部)

【画像】え、「確かに整ってる」 コチラが『ばけばけ』北川景子が演じるのも納得な「松江藩随一の美女」タエのモデルの姿です

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