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古参が「ガンダム50周年ムービー」に覚えた違和感? 「あの異色作」を当時どう見たか

アレもコレも一気に吹き飛ばした「王者の風」

「空気」をガラリと変えた「東方不敗マスター・アジア」(左上)。「機動武闘伝Gガンダム 石破天驚 Blu-ray Box」ビジュアル (バンダイナムコフィルムワークス)
「空気」をガラリと変えた「東方不敗マスター・アジア」(左上)。「機動武闘伝Gガンダム 石破天驚 Blu-ray Box」ビジュアル (バンダイナムコフィルムワークス)

 そのような空気が一気に吹き飛んだとされるのが、第12話「その名は東方不敗!破壊された新宿」以降の展開です。

 ドモンの武術の師である「東方不敗マスター・アジア」の登場は、作品世界を一変させます。モビルスーツを素手で引き裂き、布一本で銃弾を受け止める超人描写は、『ジャイアントロボ』で見せた“ロボットアニメというジャンルそのものの突破”を再び感じさせるものでした。

 さらに東方不敗の登場によって、作品は「倒すべき敵」と「葛藤の対象」を同時に獲得します。悪魔の兵器「デビルガンダム」と、人間を蝕む「DG細胞」の恐怖、そして最も敬愛する師との思想的決裂や骨肉の争いが、作品を濃密な愛憎劇へと急加速させていったのです。

「人間がロボットを倒す」一線を超えたことで、作品は圧倒的なテンションを爆発させていきます。香港アクション映画へのオマージュや広東語による挿入歌の採用など、作品全体が“今川カラー”へと塗り替えられていったのです。

 その迫力によって、従来の「ガンダム」ファンからも「これもアリ」と受け入れられ、後の「ガンダム」シリーズ全体の幅や自由度も大きく広がっていったといえるでしょう。

 そうした『Gガンダム』の大成功は、序盤の制約で今川監督のストレスが極限まで蓄積され、“爆発力”が最大限に高まった結果なのかもしれません。

(多根清史)

【画像4枚】生首、スケスケ…こちら注目を集めた『Gガン』の変わり種アイテムです

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多根清史

フリーライター。主にゲーム・アニメ・漫画を守備範囲としてきたほか、ここ数年は(個人的なガジェット好きもあり)iPhoneやスマートフォン、インターネットやPCなどハイテク全般の記事も執筆。著書に『宇宙世紀の政治経済学』『教養としてのゲーム史』、共著に『超ファミコン』『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』など。

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